第6話 再会と婚姻
パトリシアの両親(キャロラインの曽祖父母)の友人達の子供や孫の証言。
※友人達自身はいずれも高齢であり、ほとんどはすでに亡くなっていた。
証言の大半は、友人達が子供や孫に日常の雑談として伝えたものであり、証言者の記憶が曖昧になっている部分も少なくないと思われる。
○パトリシアが六歳のときには、両親はサン・ジェルマンには逢っていない。
庭に出ていたパトリシアが慌てて戻ってきたと思ったら、左手の薬指にブルーダイヤの指輪をはめていた。
パトリシアは指輪の送り主について「大人の紳士」と語った。
○十九歳になったパトリシアの前に、サン・ジェルマン・ルルイエと同じ名前と、十三年も経っているにもかかわらず同じ年齢のままの男が現れた。
○パトリシアいわく、十三年前にパトリシアが「大人の紳士」と言ったのは、六歳の子供から見れば年上だったというだけの意味。
この言葉は筋の通ったものに思えるが、パトリシアの母のイザベラは当時、友人に「ごまかされている気がする」と語っていた。
○パトリシアの父のトーマスは当初、サン・ジェルマンを不審がり、二人の結婚に反対していた。
○パトリシアのブルーダイヤを再度、鑑定にかけたところ、本物のダイヤモンドだと判明。
サン・ジェルマンはこれを、自身が外国の貴族である証として、トーマスから信頼を得た。
(警察がブルーダイヤの鑑定を間違えた理由については、単に古い時代の話だからいい加減だったのだろうということで片付けられている)
○この時期、トーマスの商売は不安定になっていた。
トーマスの友人達は、トーマスはダイヤモンドに釣られたのだと噂していた。
○パトリシアはサン・ジェルマン・ルルイエに夢中だった。
○二人が結婚し、新婚旅行でイギリスを離れるのと同時に、トーマスの商売は不自然なまでに好転した。
ルルイエ伯爵から直接的な支援を受けた形跡はナシ。
運が向いてきた、あるいは不運が去ったとしか言いようのない状況だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます