第12話 柴犬のはな 2
朝になり、アラーム音で目覚めると私はリビングに様子を見に行った。
リビングでは、ツンとした表情のミィがソファーに座り、台所では55歳くらいの女性が忙しく朝食を作っている。
驚いたことに、何にも教えていないのに塩鮭にご飯、芋の味噌汁、卵焼きまできれいに調理され机に並んでいる。
「おはようございます。私ははなといいます。ご飯冷めないうちにどうぞ。」
「おはよう。昨日の柴犬なの?」
はなさんは、丁寧にこう言った。
「はい。拾って頂いてありがとうございます。前の飼い主が小料理屋さんをやっていたんですが、病気で死んでしまって…店の後始末に来た飼い主の親戚が段ボールに入れて私を捨てたの。もう悲しくて悲しくて…。」
はなさんは目に涙を浮かべてしみじみと話した。
その後朝食を食べたが本当にやさしい味でどれも美味しかった。
はなさんは小料理屋さんの看板犬で、いつも飼い主が料理する様子を見ていたため自然と覚えたらしい。
ミィはというと、塩鮭が美味しいらしくご飯をがっついている。はなさんを使いおかわりまでしている。
またもや奇妙な生活が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます