第7話 寝言
家に帰ると、ミィは本能の赴くままにソファに仰向けになって眠ってしまった。
ロンTからおへそが見えている。へそ天したミィにタオルケットをかけてあげると顔を手でかきながら幸せそうな表情。やれやれとキッチンへ向きをかえると、「フニャッ…」と声がした。
間違いなく猫のミィの声だった。
あれ?なんだ今のは。
振り返ってしばらく眺めていると夢でもみているようだ。
「ウーウンニャア?ウーー。…フニャッ。」
招き猫のような手で顎をかいてみたり、時には空中をかいたりもしている。
お花畑にちょうちょでも来た夢でも見ているのだろうか?
そういえばミィと出会ったのは、まだ春先で近所にあるキャベツ畑だった。私が畑の脇の歩道を歩いていると綺麗に植えられているキャベツがある一定の間隔ごと植えられていて緑色のキャベツ、緑色のキャベツ、緑色のキャベツ、赤トラ柄のキャベツ…?っとよく見ると子猫がキャベツの上に乗っていた。
ミィは、キャベツ畑からアパートまで私の後ろをついてきた。それが、飼い始めたきっかけだ。
最後に小さな口でミィはこう呟く。
「…捨てないで…」
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