第2話 薬屋
こんな所に薬屋なんてあっただろうか?木造でガラスは結露している。昭和初期のレトロな感じがする。そして、この彼女薬ってなんだ?彼女でもできるっていうのか…?まさか…。
私は、結局薬屋の中へ入ることにした。
ガラガラ…
戸を開けると、ガラスケースの中に沢山の薬が陳列されている。手前には、ストーブ。ストーブの上にヤカンがシュンシュンなっている。
「いらっしゃい」
奥から店主が出て来た。白衣を着たいかにもな風貌である。
はげちらかった頭は、育毛剤の効き目がないことを伝えていた。やっぱり、あの薬もインチキなのかもしれない…。そう思っていると、店主が話しかけてきた。
「何の薬をお探しですか?」
私は半分店を出ようと思ったが、説明を聞いてからでも遅くはないと思いなおした。
「店の前に彼女薬ってあったんですけど、どんな薬なんですか?」
「…ああ、あれね。そのまんまだよ。彼女ができる薬。のら犬やのら猫なんかに飲ませてやると、翌日から人間の女の子の姿になって彼女として生活するようになるんだよ。ただ、働いたりとかはできないけど教えれば家事くらいはやってくれるよ?」
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