彼女薬

山葡萄

第1話 会社とアパートの往復

 私は、下山幸助45歳。独身で、彼女は20代の頃をピークにそれきり縁がない。帰省すると決まって親の顔が飛び込んでくる。結婚はまだか?孫の顔をみせてくれ!という重圧に押されて婚活パーティーに参加してみたけれど、年収や職業ばかりに必死な女の子の迫力だけがすごくて私を見ているものは一人もいない。はっきり言って興味ない。親には申し訳ないけど結婚したいと今は思えない。

 私は婚活パーティー会場を後にして、木枯らしが吹く夜道を歩く。

 今回もピント来る人はいなかった。もう、疲れたから早くコンビニ寄って家に帰ろう。あったかい風呂にでも入って、酒を飲んで寝てしまおう。

 そんな時ふと、ある看板が目に飛び込んできた。

 『彼女薬アリマス』

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