第10話 妹の千沙

「ただいまー」

俺は自分の家のドアを開け、帰ってきたことを知らせた。

その時、台所から玄関にバタバタ誰かが走ってくる音がする。

その誰かが俺の目の前まで来て、

「おかえりなさい!お兄ちゃん」

と言って笑顔で出迎えてくれた。

その誰かとは我が自慢の妹である、荻原千沙である。

兄である俺から言うのはあれなのだが、超が8個付く程の可愛さを持っている。そう超超超超超超超超かわいいのだ。

千沙の特徴は黒髪セミロング、八重歯が特徴の顔立ちをしている。もう天使といっても良い。背丈は花澤より少し低いくらい。

性格は俺とは真逆の誰とでも仲良くなれるタイプで天然、そして兄思いの良くできた妹だ。

好きなことは家事で、朝と晩の料理と掃除、洗濯といった荻原家の家事全般をやってくれている。


「お兄ちゃん、ご飯にする?それともお風呂にする?」

「それ二つ以外の定番の選択肢が一番したいけど、ご飯にするわ」

俺がいつも通り千沙をからかうが、千沙は「?」という感じの表情で俺の顔を見てきたが、すぐに食事の準備を始めた。


今日も千沙のかわいい反応が見れて最高だぜ!と心の中で思い、2階の自分の部屋に行って部屋着に着替えた。


部屋着に着替えて1階のリビングに戻ると、台所で千沙が料理を作っていた。匂い的にオムライスだろう。


俺は料理の邪魔をしないように、いつも食事をしてる椅子に腰かけた。

食事ができるまで、スマホを見て暇を潰すことにした。


7分後。

「おまたせー」とオムライスをのせたお皿二つを持ちながら千沙は言ってきた。

そして、二つのお皿のうち一つは俺の目の前に、もう一つは千沙自身の前に置いた。

予想通りのオムライスだ。

「いただきます」

「いただきまーす」

俺と千沙が揃って言い、食事が始まった。


10分後。食事を終え、俺と千沙はテレビの前の小さなテーブルでコーヒーを飲んでいた。

「そういえば、お兄ちゃん。野球部の田中って人知ってる?」

「なんだぁ?その田中ってやつは。まさか千沙そいつのことが…」

「違うよ違うよ。女子の間で噂されてるから」

千沙の好きな人かと思ってびっくりしてしまったじゃないかと思いながらコーヒーを飲んだ。

「俺はそんな田中という人物は知らないな。で、その田中というやつがどうしたんだ?」

「その田中っていう人がつい最近彼女さんと別れたばっかりなのに、また新しい人に告白しようとしてるんだってぇ」

「へーそうなのか。千沙はそんなすぐに彼女を変えるような人間に告白されても付き合うなよ」

「わかってるよ。お兄ちゃんみたいな人じゃないと嫌だもん」

千沙は天使のようなほほ笑みで、俺にほほ笑んできた。

俺は「もうかわいい!お兄ちゃんと結婚しよう!」と言いそうになったが心の中で留めた。


俺と千沙は他にも雑談を20分程した。

「ちょっと風呂入ってくるわ」と俺は千沙に告げ、風呂に向かった。


風呂に入りながら、「なぜ女子の間で、田中君が告白しようとしてることが噂されてるんだ?そんな情報どこから?女子って怖っ!」などという感想を心の中で思った。


そして、風呂を出てからはいつも通り布団に入り、眠りについた。









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クラスでいつも一人の俺になんでこいつの手助けを? 増田ユウキ @masuda-yuuki

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