第5話 先生が連れてきた人物
「おまたせ。実は君ら二人にお願いしたいことがあるんだ」
鈴木先生が生徒指導室に入ってきて俺と花澤に言った。
俺と花澤は何をお願いされるのか全く見当がつかなかった。だから俺と花澤は黙って目を合わせて顔を傾げている。
まぁいつまでも黙っていても話は進まないからな。
「お願いって何ですか」
「まぁお願いの前に紹介したい人がいるんだ」
そして、鈴木先生の後ろから見覚えのある女子生徒が俺と花澤の前に出てきて自己紹介を始めた。
「2人とも違うクラスだよね。初めまして、私2年E組の茅野 美咲。テニス部」
「俺は荻原隼」
「私は花澤雛乃です」
俺はこの茅野美咲を知っている。なぜなら同じ2年E組。そう同じクラスだからだ。あと一年のクラスも同じだった。
茅野 美咲は学校の成績優秀、スポーツは何をやらせても器用に完璧にこなす。見た目も髪は茶髪で、顔もきれい系でスタイルも良い。十全十美とはこいつのためにあるような言葉であると思えるほどだ。だが、性格は別だ。
「何を言っているんだよ茅野。二人とも同じクラスだぞ」
鈴木先生はフォローしてくれた。
「え、でも見たことないよ」
「まぁ花澤の方はある都合があって、まだ教室に来てないからな」
「あーそうなのね。どうりで見たことなかったんだ。二人ともよろしくね」
茅野の誤解は鈴木先生の言葉で解決したらしい。
あれ、でも俺は2年始まってから今のところ毎日教室行っているのに、顔を覚えられていなかったのか。1年の時も同じクラスだったのに。
俺はなぜか少し寂しい気持ちになった。
そんな俺を見て鈴木先生はクスクスと笑っていた。そして、俺に向けて「ドンマイ」と口パクで伝えてきた。
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