第16話 確認

「君がそうなんだね。」


金属で出来た重そうな鎧を着た男が確認をとるかのようにそう告げた。

神父もシェスカさんも彼の部下も驚いた。

そして、俺も。


「…。」


ここは、「「はい」」っと答えた方がいいのかもしれない。

しかし、そう答えたところでどう転ぶのかはわからない。

ふと、ある言葉が浮かんだ。

「「魔女狩り」」

中世ヨーロッパ、アメリカなどで行われた儀式だ。

主に神に逆らうもの、異端、科学者、奴隷、捕虜など何の理由もなく殺された事件だ。

この異世界でもあってもおかしくはないはずだ。

いや、必然だろう。

弱ったなあ…。

当然抜け道も存在するはずだ…。


「…はい。」


数秒の沈黙の後、そう答えた。


「そうか、ではみせてもらおう」


魔女裁判についてもう一つ言うべきものがある。

それは、周りの人間にも疑いがかけられるものだ。

「「人狼」」というゲームがあるだろう。

あれは人狼が見つかればゲームは終わる。

しかし、魔女裁判は処刑されてもあらたな魔女が「「産まれる」」。

つまり、誰か一人になるまで終わらない。

そういうものだ。

協議の結果が一致であるなら、その言葉は「「絶対」」なら、疑いをかけられたものは「「絶対」」に魔女になる。

さっきから、背筋が冷たいのはこのせいだ…。

まあ、多分平気だとは思うのだが…。

動物の「「死骸」」は全て燃やしたし、鉄条網についた「「血」」もふき取ったのだが…。

不安が残る…。

そして、もうひとつ…。


「「ハイレ」」はどこに消えてしまったのだろう?。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る