第13話 王と玉

「王よ。」

「何かね、今は舞踏会であるぞ。」

「それが…ですねえ…。」

「うるさい、些細なことならば後にしろ!」

「はっ、はい。」


宮廷では華やかなパーティーが行われていた。

大勢の人で賑わっている。

各国の要人が集う。

まさに、豪華絢爛な宴であった。

当然、主催者である王は楽しんでいた。

しかし、王は「言伝(ことづて)」を預かっていた召使いのことを聞かなかった。

この時はそこまで些細なことでは無かったが、これが王にとって重要なものであったことを後に知ることになった。

「「酒に酔っても、忠告は聞くべきだ」」

送り先は開拓地に砦を築いている。

王直属の騎士団の団長からだった。

早馬で、今届いたばかりだった。


…。


その日もいつもと同じことをしていた。

相変わらず、作って、遊んで、学んで…。

平和だった。


「それっ。」

「よっと!」

「なっ、なにー。」

「ははは、せいっ。」

「あっ…。」


動物の皮ででいているため、水を含みやすく重くなるため、狙いがまったくつかない。残念ながら、俺が蹴ったボールは2本柱を建てただけのゴールから外れてしまった。今やっているのは「サッカー」と「ゲートボール」を合わせたものだ。2本の柱の間にボールが地面をなぞる。接地しづけないとゴールにならないというものだ。間を通したら一点。それで、ゴールしても、そのままプレイ続けられる。そこはバスケットボールみたいな感じかな。ただし、ゴールとなるのは開始地点からそれぞれ一歩通行で裏から通しても得点にはならないが、裏から通してもう一度反対側からボールを蹴れば得点となる。その為、「「66-8」」なんてことも起こる…らしい。

正直言うと、「「反復横跳び」」が最強である。2人でゴールである柱の間に鏡合わせになり反復横跳びのようにボールを行き来させる。審判のいる村同士のを交流戦だと、ブーイングをあび…。「「卑怯者!」」と言われるらしい。もともとは戦争時に敵兵の頭を蹴ったことが最初らしい…。ちなみに、最初にこの競技を始めた人は戦後、道端で誰かに殺されらしい。良く語られるのが…「「騎士としての誇りはないのか!」」っと、後になって仲間に殺されたというものだ。そんなわけで、俺もこの競技をしているのだが…この試合はあまり楽しいものではない。よりにもよって、めんどくさい「「自警団の息子」」がいるからだ。俺は、町人や農民の子供たちとは遊んだりするのだが…。言うまでもなく、こいつは無理…苦手だ。一回逃げ出そうとしたら。「「逃げんのか!」」っと言われ、「「てめえは、剣でも握ってろ!」」っと俺が言い放つと仲間を連れて、別の場所へ…。そのあと、教会に帰ると…。


「神父殿!話がある!」っと大声でその息子の親父さんがやって来た。

「はい、なんでしょうか?」

「お前さんとこの子が、うちの子になにしたのか?」

「何もしていませんが?」

「いいや、てめえのとこの坊主は大したものだ。まさか、町の子供を束ねちまってよ、おかげで息子の威厳がねえの…いやあ、ほんと笑えるは。ははっ。」


自警団の息子の名は、ハイレという。

この日、ハイレのお父さんのギグシドは仕事終わりに酒場でやってたため。

…酔っていた。

そのため、あれこれ褒められただけだった。


「それじゃあ、息子によろしくな♪」


俺も途中から会話を聞いていたものの。

何も起きなかった。

後日、ハイレの顔には手形が付いていた。

そして、彼の親父さんにも同じ跡が付いていた。

親子そろいもそろって、母からビンタを喰らうとは。

うして、今に至る。

ハイレの親父さんから遊び相手を頼まれたからだ。

正直、断りたかった。

しかし、シェスカさんが決めてしまったので仕方がない…。

そのため、週一日だけこうして遊んでやっている。

「「友達づきあいは大切だ」」っと異世界でも感じた。

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