第11話 おつかい
「おっ、坊主元気にしてたか?」
次の日、神父さんからお金を貰った俺は、市場へと向かった。
「久しぶりです。」
「そうだなあ…あと、悪かったなこの前は。まあ、おかげで他にも買い手がついたよ。」
「ええ、ああ…はい。」
あなたから買い取った竹成長スピードが尋常じゃなかったですよ。
そういって、店の主人は俺に苗木を渡してきた。
「これは?」
「おう、松って言うものだ。持って行ってくれ。」
「え、いいんですか?」
「ああ、この前のは環境が良くないと育たないんだってよ、ましてや鉢植えなんざ枯れちまうからな…お詫びだ。持っていけ。」
…立派に育っていますよ、兄さん。
もう林です。
せっかくなので貰って行こう。
こういうのはあまりに人に見られたくはないだろうから。
何故かというと、商人にとって弱みになるからだ。
「ありがとう。」
「ああ、それじゃあな!」
そういって、俺はその場から離れた。
今日、市場に来たのはもう一つ理由がある。
西の国からの協商連隊が来るからだ。
「いらっしゃい、いいものあるよ~。」
「ほれ、西国の絹だ。」
予想通り、沢山の人がいる。
生地などが主な商品だ。
胡椒などの香辛料も売られている。
けど、俺の求めているものではない。
「いっらしゃい…どうした坊主?」
「この銀色のものは何ですか?」
「ああ、針金だよ。」
「いくらですか?」
「おう、買ってくれるのか、いや~売れなくて困っていたんだよ。ここらへんじゃ、あまり買う人がいないからねえ。正直なところ他の商人から安めに買ったんだけどやっぱり買い手がつかないし、それに重いんだよなぁ…坊主はこれを遊びに使うのかい?」
「はい。」
「よしそれじゃあ、どれくらいの長さだい?。一フット50フェイスだ。」
「全部で何フットあるの?」
「ああ、これ一巻きで10フット、三束あるな。」
「それじゃあ、3つで!」
「3フットか?」
「三束!」
「1500フェイスだけど?」
「はい。」
俺は、金貨三枚を商人に渡してた。
「はいよっ」
気前よく店主は俺に売ってくれた。
普通なら怪しまれるらしいんだよな…。
子供だからって…。
「ありがとう。」
「おう、きいつけてな!」
そうして、俺は教会へと戻って行った。
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