第8話 燃えるもの
そんなことがあって…彼女と暮らすことになった。
そういえば、名前を聞いていないな…。
「はあ…つかれたなあ。」
明日は何をやろうか…。
そう考えると、本を読むくらいしかないな。
以前は課題に追われ、時間のない日々を過ごしていたな。
でも、それが当たり前だった。
暇な時はゲームをやって、昼寝したり…。
ここには、ゲームは無いから…。
案外、何もやることがないのはいいことなのかもしれないな…。
そうして、眠りについた。
また今日も日が昇る。
昨日と同じようにシェスカさんが作ってくれたご飯を食べた。
まあ、パンなんだけどね。
「レイジ?今日は何をするのですか?」
「あっ、はい。また、昨日と同じ場所へ。」
「そうですか、それじゃお願いしますね。」
「えっ?」
「同じ子供でしょう!お願いしますね…。」
「そんなあ…。」
結局こうなるのか…。
「おはようございます。」
「ああ、おはようございます、セフィア様。」
昨日の少女がそこにはいた。
すでに身支度もしてある。
「よろしく、レイジ。シェスカさん後は平気よ。」
「では、レイジ。彼女を頼みますよ。」
「…神父さん、彼女には他にやることがあるのではないでしょうか?」
「ありますよ、遊ぶことです!」
「…。」
あなたも性格が悪いです…。
確かに子供なのをいいことに色々と楽しんではいますが…。
さすがに、女の子との接し方はよくわかりません。
ましてや、同年代の男児として化けるのは…。
「あなた、そんなにわたくしのことが嫌いですか?」
おそらく、不機嫌そうな顔をしていたのだろう…。
今度は、セフィアが不機嫌な顔をしていた。
「いいえ、そんなことは…。」
とりあえず建前でも並べておこう…。
「はあ~…それじゃ行って来ますね。」
「ええ、お願いしますねセフィア様」
「はい、任せてください。」
…なんで俺じゃないんだ、シェスカさん…。
俺に任せてくれれば…。
教会をでて、いつもの場所へ向かう…。
「れいじぃ…待ってください…。」
「はあ~…。」
子守は大変です。
「はあ…うぅ…ここは?」
「俺の遊び場だよ。」
子供っぽい高校生の遊び場です。
…いや、ただの暇つぶしの場所です。
「これは…釜?」
「ええ、そうです」
「見せてもらったものよりも大きい…剣を作っているの?あなた?」
「違いますよ」
「違う?」
「えっ…ああ…剣は作れないよ。」
「そうよね…」
…なんていうか、うん…たぶん釜でいいはず…。
炭焼き小屋を作れば良かったんだけど…。
「何を作っているの?」
「竹炭…炭です。」
「スミ…何ですかそれ?」
「燃える木です。」
「何を言っているの?燃えるのは紙でしょ?木は一度燃えたら灰になるから燃える木なんて存在しないわよ。」
「そうだけど…。」
「それに、火は魔法具があれば何もいらないわ。」
魔法具は高級品なんですよ…姫様。
「まあ、見ててください。」
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