第二夜 鏡の中に
私は鏡が嫌いだ。左右反転した私の姿。
はっきり言って気持ち悪かった。
子供の頃からそうだった。鏡を使う気になれなかった。それは一人になってからもそうで。鏡のついてない物件を探すのには苦労の連続が重なり続けた。
どうして…どうしても好きになれなかった。
そんな鏡の中の私も、私のことが嫌いだ。
いや、正確には嫌いそうな顔をしている。
私が笑えば、鏡も笑う。左右反転した笑顔。
その笑顔を見るだけで気持ちが悪くなる。
顔を虫にでも這われたような嫌悪感。
どんどん顔を顰める私、その後をぴったりと追う私。気持ち悪そうに髪を掻き乱している私、全てが左右反転した私。
ふと、私の背中に氷が滑り落ちた。
アレ?私いつの間に鏡なんて買ったっけ?
孤独吐 黒百合 @blacklily0222
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