第二夜 鏡の中に
私は鏡が嫌いだ。左右反転した私の姿。
はっきり言って気持ち悪かった。
子供の頃からそうだった。鏡を使う気になれなかった。それは一人になってからもそうで。鏡のついてない物件を探すのには苦労の連続が重なり続けた。
どうして…どうしても好きになれなかった。
そんな鏡の中の私も、私のことが嫌いだ。
いや、正確には嫌いそうな顔をしている。
私が笑えば、鏡も笑う。左右反転した笑顔。
その笑顔を見るだけで気持ちが悪くなる。
顔を虫にでも這われたような嫌悪感。
どんどん顔を顰める私、その後をぴったりと追う私。気持ち悪そうに髪を掻き乱している私、全てが左右反転した私。
ふと、私の背中に氷が滑り落ちた。
アレ?私いつの間に鏡なんて買ったっけ?
孤独吐 黒百合 @blacklily0222
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。孤独吐の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
備忘録『髪の長い女』最新/千織
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます