その日、バイトを体調が悪いと嘘をついて(実際に気分は最悪で顔色も悪かったらしい)早めに上がらせてもらうと










その足で向かった先は、行きつけのバー。








「あら、透ちゃんいらっしゃい」








おカマ掛かった口調のマスターが久し振りに顔を覗かせた透に笑顔を返してくれる。








店には数人の客。






そのうち一人は何度か身体を重ねた事のある名前しか知らない人物。








カウンターに座ろうとすると手招きされた。




「今日時間ある?」






声を掛けられ、透の表情が歪む。










…痛い








…苦しい










それ以外の感覚を呼び起こさないセックスは、ただただ苦痛でしかなく早く終われば良いと切に願った。
















(また逃げ出した)

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