「悪いけど、これ15番テーブル」




了承して差し出された出来上がったばかりの料理を数種類盆に載せ、それを手にするとそのまま15番テーブルへと持って行く。








「お待たせしました」




最初に目が会ったのは女性。






「あっ」




と、上げられた声の方を向くと






気まずそうな表情をした笹原の姿。








数週間振りにみた彼の顔が


微妙に歪む。






何か言いたげな彼から視線逸らして淡々と料理をテーブルに並べ






最後に笑顔を向けると透は急いでキッチンへと戻る。






その後の自分の行動は覚えていない。






ちゃんと仕事をこなしたのか






どうやって家路に辿り着いたのか






気が付いたら、土曜の昼過ぎだった。






それから、携帯を確認する。




着信歴が数件とメールが二件。




そのうち一件のメールはバイト先の同じバイトの人間からで透の身体の調子を心配するものだった。






それに大丈夫だと言う旨を伝えるために返信をする。




もう一方のメールに返信しようとして新規メール画面を呼出すもすぐに手が止まる。








(別にショックな訳じゃない

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