「…良く分かりましたね」




二人連れ立って腰を落ち着けた先は、駅近くの居酒屋チェーン店。






「まぁねぇ、愛の力って奴?」




冗談めかすかに片目閉じる相手に面食らったように透は言葉を濁して、ジントニックを喉の奥へと流し込む。






「とまぁ、下らない冗談は抜きにして、高校生でも社会人でもなさそうだったから、大学生かなって。大学のある駅なんてこの沿線じゃここだけだからねぇ」






…なるほど。少し考えてみれば分かることだ。




でも、なんだって……




「…待ち伏せなんか…」






「会いたかったから。君に会いたかったからだよ」






真っ直ぐに透を見つめる彼の視線には偽りはなさそうで、その瞳にドキリと胸を高鳴らせる。






それを誤魔化すように透は瞼を伏せ、もう一度、ジントニックのグラスへと手を伸ばした。

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