※
「…良く分かりましたね」
二人連れ立って腰を落ち着けた先は、駅近くの居酒屋チェーン店。
「まぁねぇ、愛の力って奴?」
冗談めかすかに片目閉じる相手に面食らったように透は言葉を濁して、ジントニックを喉の奥へと流し込む。
「とまぁ、下らない冗談は抜きにして、高校生でも社会人でもなさそうだったから、大学生かなって。大学のある駅なんてこの沿線じゃここだけだからねぇ」
…なるほど。少し考えてみれば分かることだ。
でも、なんだって……
「…待ち伏せなんか…」
「会いたかったから。君に会いたかったからだよ」
真っ直ぐに透を見つめる彼の視線には偽りはなさそうで、その瞳にドキリと胸を高鳴らせる。
それを誤魔化すように透は瞼を伏せ、もう一度、ジントニックのグラスへと手を伸ばした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます