『青くさい春←まだ冬です』


凛「──はっくしゅん!!」


王「凛! 大丈夫かい!?」


凛「どうやら、誰かが私の命を狙っているようですね、フフフ」


王「風邪でも引いたのかい!?」


凛「聞けよ」


王「僕が何をやってもダメだから……君が吹きさらしになって風邪を……」


凛「はぁ……もう勝手に言っててください……」


王「僕ってやっぱり……役立たずだよね……ダメな人間だよね……勉強できたって誰も助けられないし……誰のためにもならないし……なんでここにいるのかがわからなくなってきたよ……僕なんかいてもいなくても一緒なんだよね……」


桃「──そんなことはありません!!」


──ドカーンッ!!


王「Σ! み、みんな、どうしたんだい……!?」


熱「会長を止めにきたんだぜい!!」


ナル「コラ! 早く食堂に行きなさい!」


マリ「お兄ちゃあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁん!!!!!!」


マッ「マリマリが泣いてしまいました……どうしてくれるんですか……」


世「わたくしはついて来ただけです」


隼「俺もついて来ただけだ」


ピ「キャラが被ってるぞカス!」


王「……状況がよくわからないんだけど……」


桃「ダメです会長っ!! 会長は私達にとって、いなくてはならない存在なんです!! 必要不可欠な人なんです!! こんなところで諦めちゃダメですよ!!」


王「桃子くん……(まだ諦めてはなかったんだけど……;)」


熱「会長は俺っちの結婚式で泣きながら素晴らしいスピーチをするんだ!! それは決定事項なんだ!! それはもうワンワン泣いてくれヒヒーン!!」


王「マサハルくん……(ワンワンなのにヒヒーン……?)」


世「あなたがいなくなったら、誰が会社を継ぐのですか。言っておきますが、あんなヘンテコ人間、わたくしは認めませんわよ」


王「世麗奈くん……(そんなこと言ったらまた凛が怒るよ……;)」


マリ「お兄ちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!;; いっちゃやだよぉぉぉぉ!!!!!!;;」


王「真理ちゃん……(どこに行くと思ってるんだろ……;)」


隼「見損なったぞ王子。俺はお前のこと、嫌いでもなければ好きでもなかったのに」


王「隼人くん……(順番が逆だったら嬉しかったのに……;)」


ナル「お腹が空いた!!」


王「富士子くん……(僕に言われても……;)」


マッ「そんな末路を送るなら僕の実験台になってください……ちょうど危険度Sランクの実験をしたいと思っていたので……フフフ……」


王「マッケンジャーくん……(怖いよ……怖いよ……怖いよ……;)」


ピ「人生は壁だらけだ!! つらいことなんか山ほどある!! だが、それを乗り越えることで人間は成長できるんだ!! だからそんなバカなことはやめろぉ!!」


王「チンピラくん……(ツリーに飾りつけをすることがバカなこと……?)」


桃「そうですよっ!! 人生まだまだこれからですっ!! だから身投げなんてしないでくださいっ!!!!」


王「え、身投げ……?」


桃「えっ……!?」


王「……あの……さっきから何かおかしいと思っていたんだけど……みんな、何か誤解してない?;」


みんな「「「「「え」」」」」


王「凛があそこにいるから、僕はここから──」


桃「キャアァァァァァ!!!!!! まさか!!!! 羽ばたこうとしてたのは凛さんっ!?!?」


凛「いや、違うから」


熱「俺っちの馬に対抗して猿になったのかーい!?!?」


凛「なんでやねん」


世「なんて愚かなっ!」


凛「シバくぞ!」


マリ「お姉ちゃあぁぁぁぁぁあぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁぁぁん!!!!!!!!!! 真理も一緒にいくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」


凛「Σダメだよ!!」


隼「この裏切り者ー!!」


凛「何が!?」


ナル「最近トロちゃんの行動が理解出来ないのよね。気持ち悪いわトロちゃん」


凛「どゆこと!?」


ピ「ダチじゃねぇからどうでもいい」


凛「えっ、お兄さんはダチなの!?」


マッ「実験台は誰でもいいですよ……フフフ」


凛「誰が協力するかっ!!」


王「早まっちゃダメだ凛!!」


凛「何つられてんですかこのポンコツ兄貴!! まったく、皆さん少しは頭を使ってくださいよ。私は──」


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