魚群、現る―(9/13)
※~[凛・トロピカル]視点~※
「──お、おい野郎ども、ちゃんとついてきてるか?」
「「「ア、アイアイアイサー……」」」
なんかアイが多いですよ。
「ちょ、ちょっとピーラー! 変なとこ触らないで!」
「だ、だだだだだってくらくらくららららららら……!!」
クララが立ったー。
「トロさんも変なところ触らないでください……」
触ってないから。
「おいトロ!! お前暗闇にまぎれて俺の命を狙おうと──」
してねぇよ!!
先頭から順にカスさん、ナルシーさん、ピーラーさん、マッケンさん、私の順で歩いてるんだから、やるとすればきっと誰かを間違って刺す!
「こわこわこわこわいぃぃ!!!!」
スゴく怖がっていますねピーラーさん。
お化け屋敷のスタッフさんからしたらとても美味しいお客さんです。
さっきから全然出てきませんが。
「ギャアァァァァ!!!!!! 僕の背中にお化けがぁぁぁぁぁ!!!!!!」
それマッケンさんですよ。
「手に生暖かい風がぁぁぁ!!!!」
それはナルシーさんの熱気です。
「足元がぬるぬるするぅぅ!!!!」
それはナルシーさんの汗ですね。
──うおっと、私の足も滑った。
「……ン?」
いま何か蹴ったかな?
足元に気配が…………。
「──∑ッテ、ワァァァアァァァァァァアァァ!!!!!!!!」
「「「「∑ぎゃあぁぁぁぁ!?!?!?」」」」
なんか足元でもぞもぞしてるぅ!!!!!!!!
「どどどどうしたトロ!?!?」
「ななな何よトロちゃん!?!?」
「ナンカ居ルゥゥゥゥ!!!!!!」
「富~士子すぅわぁぁぁん!!!!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「こらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「なんだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「誰だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「ハァタタタタタタタタタタタタタタ!!!!!!!!」
誰かが北斗神拳をかましている!?
ピーラーさんか!?
「∑そ、その声は、正生徒会のスギタセイシュン!?!?」
「俺のセイシュンはこれからだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
や、やばい!
ここにいることが正生徒会にバレた!!
「富~士子すぅわぁぁぁん!!!! 俺っちと結婚してくださいぃ!!!!」
「ちょっ、何!? 結婚詐欺のお化け!? 気持ち悪っ!!」
そんなお化けはいない!!
「──バカハルー!! 見つけましたのー!?」
「マサハル君どこー!?」
うわっ、増援キター!
「ままままままままままさまさまさまさまさまさまさまさっ……!!;;」
約一名ピーラーさんみたいな人がいる!
「──っ、見つけましたわ!」
「ヤベッ! 逃げるぞ野郎ども!!」
「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!!! 何かが富士子の腕掴んでるぅ!!」
「あいらびゅうぅぅぅぅ!!!!!!」
「暗い怖い暗い怖い暗い怖い!!」
「今度こそ捕まえてみせる!!」
「痛いです踏まないでください……」
「みみみみみみみみみんな落ち着くんだだだだだだっ!!;;」
「アナタガ落チ着ケー!!」
「……南無南無南無南無……」
「わたくしの矢で射抜いてみせます!!」
「俺の頭に何か刺さってるぅ!!」
「痛い痛い放してお化けぇ!!!!」
「ゲッチュウマイスイートハートォォォォォッッ!!!!」
「僕は神だフハハハハハ!!!!!!」
「桃子は負けないこのこのこの!!!!!!」
「僕に触れると爆発します……」
「僕は誰で君は誰だい!!!?!!!?」
「ナンジャラホイナー!!」
「……滅滅滅滅……」
「当たりなさい当たりなさい!!」
「ファイアァァ~スティック!!」
「婚約破棄破棄ぃぃぃ!!!!!!」
「オーマイガァァァァッ!!!!!!」
「ハァタタタタタタタタ!!!!!!」
「モォモモモモモモモモ!!!!!!」
「カウントダウン入りました……」
「ジョーズだぁぁぁぁ!!!!!!;;」
「嫌ナ予感ー!!!!」
「……参……弐……壱……」
∑ドガァァァァーーンッッ!!!!!!!!
──私達は死を覚悟しました。
だけどもだっけーど~♪
「ごほっごほっ……!」
「……いってぇ……!」
「いったぁ~い……!!」
「燃え尽きたぜぃ……っ」
「僕の北斗神拳がっ……」
「私の桃子神拳がっ……」
「フフ、フフフ……」
「わわわわわわわわっ……」
「ア、アンビリーバボー……」
「……死死死死死……」
奇跡的に全員無事のようです。
マッケンさん、オチャメすぎですよ。
あとで水族館の人に修理代払えとか言われても知りませんからね。
「ゲホッゲホッ……! お、おいっ、今のうちに逃げるぞ!!」
「「「「アイアイサー!!」」」」
私達はヨロヨロと立ち上がります。
「ちょ、ちょっと待ちなさい!!」
待てと言われて待つバカは……多分いません。
「腕取れてねぇかナルシー!!」
「危なかったわ!」
ナルシーさんはスリムボディで颯爽と出口へ向かいます。
「怪我ねぇか北斗!!」
「ぐおぉぉぉ……!」
ピーラーさんは涙で顔をぐちょぐちょにしながら駆け出します。
「バラバラになってねぇか爆弾マン!!」
「僕が爆発したわけではありませんよ……」
マッケンさんは香ばしい薫りをまき散らしながらあとに続きます。
「おい! トロトロしてんじゃねぇよトロ!!」
ノロノロはしていますがトロトロはしていません。
今行きますよ──って、ん?
今、カスさんが誰かの手を引っ張って走っていったような……。
おいおい、まさか幽霊でも連れていったのだろうか。
「待つんだ今田くん!!」
「でも俺っちは諦めないぜい!!」
「この仕打ち、許しませんわ!!」
「逃がしませーん!!!!」
正生徒会の皆さんも、体勢を整えて順々に追いかけていきます。
……さて、私はどうしようか。
「──ほら、加美くんも急いで!」
ん?
──ってちょっと!!
引っ張らないでください会長さん!!
違う!! 違います!! 人違いですから!!
私はあんな陰険人間じゃないですから!!
身長が全然違うじゃないですか!!
「僕は早くここから出たいんだ!! 怖いんだ!! 本当は怖いんだ!! お願いだよさあ早くっ!!」
そんなカミングアウトいらんわ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます