第4話 メイドのご奉仕

 俺たちは大金を手に入れたので、家を借りることにした。ホテル暮らしも悪くはないが、住所がないというのは何かと不便だ。ただ問題は、住所不定無職の俺たちが家を借りることができるかどうかだが……。


 そこで、とある不動産屋で家を探してみることにした。


 俺たちがやってきたのは、見た目はごく普通の不動産屋だ。しかし、ここは普通とはちょっとだけ違うところがある。それは、夜の街周辺の賃貸に特化した不動産屋だということだ。


 夜の街には、訳ありの者が多く集まる。どんな仕事をしているのか明かせない者や、保証人が用意できない者も多いはずだ。しかし、彼らも夜の街周辺のどこかに住んでいる。そういう者たちに家を紹介している者たちが、当然どこかにいるというわけだ。それがこの不動産屋だ。


 ここならば家も仕事もない俺たちでも、住める場所が見つかるかもしれない。そう思い探してみると、あっさりと住む場所が見つかった。




 住む場所が見つかると、メイはますます稼ぐようになった。家にパソコンを置き、株やFXトレードを始めたのだ。僅か数日でお金が膨れ上がり、あっという間に億万長者になった。


 こうなってくると、俺はもはやただのヒモだ。何故メイは俺と一緒にいるんだろう? もう一人でも生きていけるだろう。というか、俺はただの足かせじゃないか? なにか手伝えることはないか?


「なあ、俺にもなにか手伝わせてくれないか?」

「ご主人様のお手を煩わせるわけには……。いえ、一つお願いできますか?」


 メイは振り返り、俺の顔を見た。すると意見を変え、手伝ってほしいと言った。


「いいよ、なにをすればいいんだ?」

「とりあえずこちらへ来てください」


 俺はメイの座っている椅子のところまで近づく。すると、彼女は自分の膝をポンポンと叩き


「ここに座ってください」

「え?」


 聞き間違えか? 膝の上に座れと言われなかったか? なんだ? 彼女は人に乗られるのが好きなのか?


「いや、俺は重いと思うしやめておくよ」

「手伝ってはくれないのですか……?」

「いや、でも」

「私なら大丈夫ですから。さあ」


 俺はメイに促され、ゆっくりと彼女の膝の上に乗った。目の前に置かれているパソコンには、謎のグラフと数字が並んでいる。おそらく株価か通貨のグラフなのだろうが、俺にはよくわからない。


「なあ、本当に大丈夫か? 重くないか?」

「ふふふ、全然重くありませんよ。むしろ心地よい重さです」

「それで、俺は何をすれば?」

「ここにいてくださるだけで充分です」


 そういうと、メイは後ろから俺を抱きしめてくる。背中に柔らかい感触が当たる。


「うわ、何を!?」

「お金を稼いでいる間、ご主人様にご奉仕できないのがずっと不満でした。ですが、こうすればご奉仕しながらお金を稼ぐことができまね。とても捗ります」


 そういうと、彼女は俺を片手で抱きかかえながら俺の服の中に手を入れてくる。抵抗するが、力が強く敵わない。


「ご主人様、力を抜いてください。何も心配しなくて大丈夫です。私が気持ちよくして差し上げます」


 メイは俺の耳にそっとささやいた。そして白くてすべすべの手が俺のズボンに手をかけて……。


 ちょ、ちょっとまって! あっ。

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