第22話 政権の若さの話・明治と令和の比較

今回は置いておきたい司会紹介→https://kakuyomu.jp/works/1177354054892641004/episodes/1177354054892641022


金子堅太郎「今日は政権の若さの話です。「今の政権は年寄り過ぎる、もっと若い年代に!」という声と共に「昔はもっと若い世代が活躍していた!」という話があるようなので比較してみることにしました」

伊東巳代治「まずは明治時代の中でも若いと言われた1898年(明治31年)の第三次伊藤内閣閣僚年齢表です。設立時のメンバーと年齢になります」


内閣総理大臣・伊藤博文(57)

外務大臣・西徳二郎(51)

内務大臣・芳川顕正(56)

大蔵大臣・井上馨(62)

陸軍大臣・桂太郎(50)

海軍大臣・西郷従道(55)

司法大臣・曾禰荒助(49)

文部大臣・西園寺公望(49)

農商務大臣・伊東巳代治(41)

逓信大臣・末松謙澄(43)

内閣書記官長・鮫島武之助(50)

法制局長官・梅謙次郎(38)


堅太郎「平均年齢50歳か。なんていうか巳代治と末松君が平均年齢を押し下げている感じだね」

巳代治「それと梅先生だね。桂や西園寺も次世代組だから少し若い感じ」


堅太郎「今気づいたんだけど、巳代治、桂さんに強く出てること多かったけど、十歳近く年上だよ……」

巳代治「年上だからって僕が遠慮すると思う? さて、次は現内閣。成立した2019年ときのメンバーと年齢で」


内閣総理大臣・安倍晋三(65)

財務大臣・麻生太郎(79)

総務大臣・高市早苗(58)

法務大臣・河合克行(56)

外務大臣・茂木敏充(64)

文部科学大臣・萩生田光一(56)

厚生労働大臣・加藤勝信(64)

農林水産大臣・江藤拓(59)

経済産業大臣・菅原一秀(57)

国土交通大臣・赤羽一嘉(61)

環境大臣・小泉進次郎(38)

防衛大臣・河野太郎(56)

内閣官房長官・菅義偉(71)


堅太郎「平均年齢60歳か。麻生さんと菅さんが押し上げている感じかな」

巳代治「そうだねぇ。後は何を比べればいいんだろう。平均寿命との差?」


堅太郎「2019年の男性平均寿命は81歳だったね。で、厚生労働省のページによると、明治30年ごろの平均余命は43歳」

巳代治「乳児の頃に亡くなる子も多いから、ちょっと平均寿命は参考にならないんだよね。今より明治の頃のほうが早死にだったかもってくらいか」


堅太郎「ちょっと内訳を考えてみようか。現代の内閣はわからないけど、伊藤内閣はこんな構成です」


内閣総理大臣・伊藤博文(57)

外務大臣・西徳二郎(51)←薩摩人。バロン西の父親。

内務大臣・芳川顕正(56)←山縣有朋の子飼いの部下

大蔵大臣・井上馨(62)←伊藤の親友

陸軍大臣・桂太郎(50)←山縣の子飼いの部下

海軍大臣・西郷従道(55)←大西郷の弟

司法大臣・曾禰荒助(49)←長州人。伊藤の後、韓国統監に。

文部大臣・西園寺公望(49)←公家。伊藤の後、政友会総裁に。

農商務大臣・伊東巳代治(41)←伊藤の子飼いの部下

逓信大臣・末松謙澄(43)←伊藤の娘婿

内閣書記官長・鮫島武之助(50)←伊藤の子飼いの部下

法制局長官・梅謙次郎(38)←伊藤が尊敬する法学者


巳代治「お友達内閣どころじゃないね。ほぼ伊藤派&長州派内閣」

堅太郎「親戚内閣でもあるよね。桂さんの三男が井上馨さんの養嗣子の養子になってるし。末松君は伊藤さんの娘婿だし」

巳代治「芳川顕正の婿養子も曾禰荒助の次男だから親戚内閣だね」


堅太郎「この時は伊藤さん、他の派閥の人を入れようとしてうまくいかなくて、結局こうなったのもあるんだよね」

巳代治「ところでこれって比較してどうするつもりだったの?」


堅太郎「特にどうもしないよ。ただ「今の政権は年寄り過ぎる」がそうなのかなぁ、単なるイメージなのかなぁというのを確認してみようと思っただけ」

巳代治「物を考えるには事実確認からということだね」

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