第19話 明治時代と巫女禁断令
堅太郎「これは明治という時代を2つ表しているんだ。1つは文明開化。これからはどんどん西洋らしくしていく時代なのに、巫女などという旧習はやめろ! という勢力」
巳代治「もう1つは神祇官の台頭による神道勢力。明治維新で古い勢力が勢いを得て、朝廷の祭祀を司る神祇官が明治2年には行政機関のトップになったほどなんだけど、神道勢力も巫女は禁止しろと騒いだんだ」
堅太郎「文明開化と旧勢力の二つに挟まれて、民間の巫女は消滅します」
巳代治「迷信とかそういうのを嫌う雰囲気が、文明開化を進める人には多かったしね」
堅太郎「梓弓を鳴らして神の言葉を聞くとか、呪術をするという梓巫女は、因習だとする傾向が強かったかも」
巳代治「渡り巫女や傀儡女は遊女的な面もあったのが要因かもね」
堅太郎「まぁ、英語を公用語にしろとか、文字はローマ字だけにしろとか言う人があちこちで明治の世は湧いていたし……」
巳代治「あれ不思議なんだよね。僕や金子君は明日から英語ですと言われても困らないけど、英語になっちゃって話せるの? と思うような人まで言ってたし」
堅太郎「とにかく日本的なものはなんでもダメ! 古いものはなんでもダメ! みたいな人たちもいたからねぇ……」
堅太郎「民間の巫女が禁止されたことにより、巫女たちはほぼ廃業となります。代わりに巫女たちは神社に所属して活動を続ける者もいました」
巳代治「神社側も祭祀を手伝う巫女の雇用を始めたので、以降は民間巫女は消滅し、神社巫女が中心となり、現代の巫女さんに繋がるのです」
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