第17話
「いつ私がまりのに言い負かされたりしたのよ」
「え、いつもそんなかんじじゃん」
「違うわよ!」
なにやらまた再燃しだした。はなは離れておいて正解だと思いみかこを見ると、こちらも困ったように眉を垂れさせて二人を見ていた。
「いつも正しいことを話してるのは私でしょ。まりのは間違ったことばかり話してるから、私が正してあげてるんじゃない」
「間違ったことなんて話してないよ! 京子ちゃんが頭でっかちのコチコチ脳だから、もっと柔らかいことも考えなくちゃいけない、って話してあげてるんだよ」
ふたりの目があう。ばちばちと火花が散った。今度はお互いの背後にオーラが立ち上っているように見えた。
「別に固くなんてないわ。いえ、固くてもいいのよ。固い時期がなくっちゃ、先へ進んで行ける鋭さを磨くことなんてできないわ。柔らかいなんて言うけど、まりののはへにゃんへにゃんのぺちぺち叩けるだけのゴム製品みたいなものじゃない」
「そ、そりゃそうかもしれないけど、京子ちゃんみたいなことやってたら石ころぶつけ合ってお互いに欠けさせあうような関係しかできないよ。それで相手も固くなかったらぶつけて怪我させるだけになるもん」
「別に相手を怪我させたりしないわよ」
「ううん、わたしだからいいけど、知らない人がやられたら泣いちゃうと思うな。京子ちゃんいじめっ子になると思う」
「ならないわよ! 誰相手でもこんな調子で言うわけないでしょ! 知らない人にはちゃんと話すわよ」
「そうかなぁ。いきなりいつもやってることと違うようになんて話せないと思うよ」
「まりの以外ではこんな話し方じゃないわよ。
ねぇ、ふたりとも」
いきなり振り向かれ、はなもみかこも驚いてしまった。
『え?』
「別にいつも私まりのにするような話し方ばかりじゃないわよね?」
「ええと」
「それは……」
思わず顔を見合わせてしまう。
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