第13話
「じゃ、じゃあ京子ちゃんは結婚する相手は好きな人じゃなくていいわけ?」
「そうよ」
「自分のこと支えてくれればそれでいいの?」
「もちろん」
「自分を支えてくれれば、京子ちゃんの事好きじゃなくてもいいのね?」
「その通りよ」
まりのの言葉に、ひとつひとつ強くうなづく。そして胸を張った。
だがまりのも同じように力強く言葉を続ける。
「なら無理だよ。京子ちゃんが結婚しても、その人きっと京子ちゃんのこと支えてくれなくなるもん」
「……なんですって?」
まりのの力強い笑みを前に、眉をしかめた。
しかし気にする様子もなくつんと鼻を上げてまりのは続ける。
「だって当たり前じゃない。好きでもないのにずっと支え続けることなんてできないよ」
「どうしてよ。私が成功すれば、結婚相手も一緒に上手くいくのよ。なら協力してくれたって当たり前じゃないの」
眉をしかめたまま不快そうに尋ねた。だがすぐにまりのは応える。
「決まってるじゃない。好きでもなんでもないんだよ。いくら京子ちゃんが偉くなってお金持ちになったってさ、それは京子ちゃんじゃなくてもかまわないんだもん」
「……どういうことよ」
なんとなしに不穏なものを感じたのか、京子が警戒している。それを見てはなはみかこと一緒に少し離れた。
「簡単なことだよ。京子ちゃんが偉くなって、他に誰かもっと偉い人がいたら、京子ちゃんの結婚相手の人はそのもっと偉い人のところへいっちゃえばいいんだもん」
「なっ……」
絶句してしまう。
だがまりのは自信満々で続ける。
「決まってるじゃない。だって京子ちゃんのことその人好きじゃないんだよ。ならもっといい人見つけたらそっちいっちゃうの当たり前だと思うな」
「なんでよっ!」
今度は絶叫した。
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