第17話
京子は呼び止め、まりのは肩を震わせた。
「な、なに。京子ちゃん」
「まりのだって平気な顔してられないでしょ。男に頼ればいいっていうけど、男がまりのを選ぶだけでなく、まりのも一生を頼ることのできる相手を見つけることできるの。あなた、男見る目なんてあるの」
「あ、あるよ」
多分、と口の中でちいさく続けていたが、京子はそれを認めなかった。
「嘘つきなさい。この間つきあってた人、ずーっとゲーセンで入り浸っててその間に知り合った女にとられちゃったじゃない!」
「た、たまたまだよ、たまたま!」
顔を真っ赤にして反論した。そんなことがあったのか、とはなとみかこは興味津々にうなづく。
「知らなかった」
「初めて聞きましたわ」
じーっとまりのを見ていると、恥ずかしそうに顔を隠す。
「ちがうよ、ちがうよ、それは京子ちゃんがわたしケンカしてたところをちょうど通りかかったから……」
「馬乗りになって殴ってたじゃない」
「そこまでしてないよ!」
なんとなく想像のついたらしいみかこはうんうんうなづいてまりのへ言った。
「わかりますわ」
「わからないでよ!」
涙目になりながら否定する。
「よくわかった、まりの。あなたのやり方じゃ結局みかこどころか、はなみたいにもなれないのよ。そんな男ばっかり選んでるんだから、将来のご家庭はご想像がつくってもんだわ」
なぜか勝ち誇ったかのように言う京子だった。それにまりのは気にくわない様子で立ち上がる。
「そんなことないもん! 今のうちに失敗沢山しといて、最後にはいいの選ぶんだから。
京子ちゃんこそ勉強して仕事できるようになっても、いそがしくなって選ぶ間もなく変なのと結婚するんだからね!」
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