第15話
「わたしそこまで思わないよ」
しかしまりのはあっけらかんと言った。
「ど、どうしてよ!」
「だって、家ん中そんなんでも、彼氏作っちゃえばいいんだもん。別に無理して偉くなるまで待たなくったっていいもんね」
「ちょ、ちょっとずるいわよ! なに一人だけよそで上手くいこうとしてんのよ!」
なんだかまた話題が品なくなってきた。むしろいつも通りに戻って安心する。
「だからね、京子ちゃんは勉強して偉くならないといけないから時間かかるけど、わたしだとかわくいくなればいいだけだからもう簡単なの。っていうか、既にOK?」
うふふ、とひとりかわいこぶってまりのが笑う。しかし京子は納得しなかった。
「そんなわけないでしょ⁉ たとえそうして男つくたって、そのうち捨てられるのよ!」
「そんなことないもん」
「ある! だってかわいいかどうかだけで選んでるんでしょ、ならそのうちまりのも年取ってかわいくなくなるから、他の若くてかわいい相手に鞍替えするわ」
「な、なんてこというのよ! そんなこといったら京子ちゃんなんてかわいくないから、もっと早く捨てられちゃうもん。ううん、そうじゃなくて誰からも選ばれたりしないんだから!」
さすがに言いすぎと思ってはなが止めようとしたが、その前に京子がばたんと倒れてしまった。大丈夫かと不安になり見守っていると、たくましく上半身を起こし言葉を発する。
「ふ、ふふ……そうかもしれないわ。でもね、まりの。そうやって男に頼ってどうにかしようとしてもどうせいつまでも同じ態度なんてとってもられないわ。かわいいこがいいんなら、他にかわいいこ見つけたらそれでおしまいよ。飽きられてぽいよ。
ならね、男なんかに頼らないで自分でどうにかするのが一番なのよ。そう、この私のように!」
そう言って立ち上がると大きく胸を張った。それだけで足らず天井を越えて壁まで見えるくらいにふんぞり返る。
「なによ、それが無理だから京子ちゃん落ち込んでたんでしょ⁉」
「そんなことないわ。やっぱり出来る!」
力強く宣言する。とにかく元気を取り戻してくれたようでそれはよかったような気がした。はなだけでなくみかこもほっとしたような表情を浮かべる。
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