第22話

「ともかくねぇ、まりののようなやり方なんてダメなのよ。必ず失敗するわ」

「そんなことないよ。京子ちゃんのほうが偉そうな態度取って人いなくなるもん」

「なんですってぇ⁉」

「なによぉ⁉」

 結局元に戻って罵り合うふたりを横目に、もう一杯お茶を飲むべく急須を傾けた。しかしお茶は出てこず空っぽだった。

 時計を見るともう夕方も過ぎており、窓の外も夕暮れを過ぎて藍色になりかけていた。京子の家に来てもうそんな時間がたったのかと不思議に思う。

「そろそろ帰ろっか」

「あら、もうそんな時間ですの」

 みかこも外を見て声を上げた。夕日の照り返しすら失われている。

「仕方ありませんわね……せっかく楽しい時間でしたのに」

「なんか揉めてばっかだった気がするけど……」

「いつものことではありませんか」

 それこそ楽しそうに微笑む。けれどたしかにそうかもしれない。

「ほら、まりのちゃん、帰るよ」

「えぇ⁉ もう」

「そうよ。もう暗くなってるでしょ。かわいい女の子なら危ないんじゃないの」

 京子の揶揄するような言い方にまりのもカチンと来たようだ。

「そうだね、そうするよ。京子ちゃんはどうせおそわれないしね」

「な……悪かったわね!」

「あぁ、ほらほら」

 またも揉めあいそうになったふたりを引き離して、はながひきずるようにしてドアまでやってくる。

「それじゃ、京子ちゃん。塾のテスト頑張って」

「…………」

 一瞬言われた意味がわからずぽかんとする。そのあいだにまりのをつれて部屋を出た。扉を閉めると同時に声が上がる。

「あぁ、しまったぁ⁉」

 京子の結果は誰も知らない。

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