アピールその2! チート・無双・ハーレムではなく、努力・友情・勝利という王道!

   

 まず最初にお断りしておきます。

 異世界転生という形で二度目の人生を許された時点で、ある意味チートずるいなわけですが、そこはご容赦ください。あくまでも異世界転生ものとして「過度なチートではない」ということです。

 チートというと、私は「まるで頭の中に教科書や百科事典があるかのように、あまりにも幅広い知識を持ったまま転生して、それらを活かしてラクに生活や冒険をしていく」というイメージがあるのですが。

 この作品は、そういう主人公を描くわけではない、ということです。『幅広い知識』ではなく……。


 想像してみてください。

 皆様が異世界転生したとしたら、どんな『前世知識』を活用できますか?

 中学生や高校生であれば、学校の勉強の中に、得意科目があったかもしれません。また、大学生や社会人であれば、それぞれ専門課程や職場で学んだ知識の中に、あなただけの特殊性・優位性があるかもしれません。

 そうした立場とは無関係に、誰にだって趣味というものもあるでしょう。

 つまり、それぞれの『個性』に応じて、一つや二つくらい「これだけは完全に頭に入っている! 異世界でも活用できる!」という知識があると思うのです。

 そう、あくまでも『一つや二つくらい』です。

 例えば、この作品の主人公であるラビエス・ラ・ブドは、海外でウイルス学の研究者として働いてきた経験・知識を、異世界で活用していきます。

 彼の前世知識だけでは不十分だとしても、彼には仲間がいます。あくまでも彼は「メインの主人公」に過ぎず、この作品は四人の主人公による物語だと、私は認識しています。

 ラビエスだけではなく、第二主人公に位置する少女パラ・ミクソも、実は転生者なのです。彼女はラビエスとは異なり、大学に入ったばかりの時点で転生してきたため、まだ『専門知識』と呼べるほどのものは持っていません。しかし彼女の場合、生前の趣味が思わぬ形で活かされることになり、強大な魔法を操ることになります!


 残りの二人――マール・ブルグとリッサ・ラゴスバット――は転生者ではありませんが、女性です。男一人に女三人というパーティー構成です。

 とはいえ、けっしてハーレムではありません! マールだけは素性が素性ゆえにラビエスの相手役っぽい雰囲気もありますが、だからといって明確な恋人関係とは違います。ましてやパラとリッサの二人は、ラビエスに気を向けるどころか、女同士の友情を育んでいきます。

 もちろん、その二人だけではなく、四人の友情もだんだんと深まっていきます。元々は四人パーティーではなく、ラビエスとマールの二人だけだったのが――特に序盤のラビエスなんてパラをけむたがっていたくらいなのに――、最後には四人で一致団結して魔王退治に挑むほどですから!


 先に「努力・友情・勝利」のうちの『友情』について語ってしまいましたが。

 続いて『努力』について述べたいと思います。

 もしかすると皆様は、努力と言われると、地味な修行パートを連想なさるかもしれませんね。でも、そこまでガチガチな昭和スポ根の作風ではありません。

 いかにして強敵に挑むのか、と主人公たちが知恵や工夫を凝らす……。それが、彼らの『努力』に相当します。つまり、それまでの冒険で得た知識やアイテムを応用して、強敵にも通用するような技を編み出す……。ある意味、冒険ファンタジーの王道です。

 その辺りは、特に第二章で顕著になると思いますが、では第一章は、どうなのでしょう?

 第一章は、むしろ第二章に活かすための下準備ですね。特に序盤は、物語の進行が遅いと感じられるかもしれません。でも、後に主人公たちが『努力』するための材料提示だと思ってください。後々「あっ、あれをこんな形で利用するのか!」というカタルシスが生まれるはずですから、期待して読み進めていただければ幸いです。

 また「知恵や工夫を凝らすのが『努力』に相当する」ということは、四人それぞれの思考パターンの違いも重要になってきます。そのため、この作品では、語り手を一人に固定せず「似たようなことを考えているようで、それぞれ違うことを思っている」「目的は同じであっても、そこに至る思考は微妙に違う」というのを示す形になっています。一つの作品中で語り手が変わるのは、一種の禁じ手と呼ばれる書法ではありますが、これにより、それぞれのキャラの内面の違いも明確になりますので、そこのところも楽しんでいただければ幸いです。


 最後に『勝利』について。

 もちろん、強敵を倒します! 上述のような、四人の『努力』と『友情』を結集して!

 第一章では中ボスに相当する敵しか出てきませんので、少し物足りなく感じるかもしれませんが……。その分、第二章です! いかにもラスボスに相応しい相手が、デンと構えています。序盤で停滞感を覚えた読者の方々も、ラストバトルの「これでもか、これでもか」と畳み掛ける展開には、きっと満足していただけると私は信じています。

   

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