12

その後私たちは、いろんな話をした。

高校のときのあの子は本当に彼女ではなかったこと。

教室からテニスコートを見ていたこと。

第2ボタンはまだ大切に保管していること。

同じビルで働いていることをもう少し前から気付いていたこと。

いつ声をかけようか迷っていたこと。

あの時返事をしなかったことを後悔していたこと。

今はお互いお付き合いしている人がいないこと。


尽きることのない話に、私たちは幸せを感じていた。


これからもっと深くお互いを知っていけたらいいな、と、竹内くんの笑顔を見ながら、素直にそう思った。


10年越しの再会は、キラキラ輝くものだった。



【END】

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じれったくて甘酸っぱい あさの紅茶 @himemon

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