43「ミナとルナの出迎え」





「おかえりなさい、お父さん!」

「ただいま、ミナ!」


 ユーヴィンの街に帰ってきたレダたちを、街のみんなと家族たちが出迎えてくれた。

 腕の中に飛び込んできたミナを受け止め、抱きしめると、レダは抱き上げる。


「パーパっ、おかえりなさい! ダンジョンどうだったぁ?」

「ダンジョンは見つかったよ。俺は中には入っていないけど……さすが勇者というべきか、ナオミが最下層でボスらしきドラゴンを倒してきてくれたよ」


 ミナに続き妻であるルナがレダを笑顔で出迎えてくれた。

 少し、いつものルナと雰囲気が違うような気がするが、一見すると元気そうなので安心する。

 慣れない生活のせいかもしれないと思われた。


「ナオミったら……あ……じゃあ、あれがダンジョンのボスかしらぁ?」


 ルナが指を指す方向にレダが顔を向けると、ユーヴィンの広場にドラゴンを中心にナオミが倒したモンスターが並べられている。

 そして、ドラゴンの背中でドヤ顔をしているのは、魔王さえ余裕を持って倒した勇者ナオミだった。


「うん。あれがダンジョンのボスだねー」

「うわぁ、ドラゴンおっきい!」

「そうだねぇ、おっきいねぇ」


 たったひとりで巨大なドラゴンを倒してしまったナオミに、誰もが賞賛の声を送る。

 調子に乗ったナオミが聖剣を抜き、掲げると、さらにみんなの声が大きくなる。


「あの子ったら、調子乗りすぎぃ。ん、まあ、あんなドラゴン倒したら自慢したいのもわかるんだけどぉ」

「ナオミ的には余裕だったみたいだよ」

「……あたしもパパも、よくナオミと戦って生きていたわよねぇ」

「本当だね」


 決して良い出会いではなかったナオミとのことを思い出し、レダとルナは苦笑した。

 あのときは、ナオミがとても手を抜いていてくれたのだと理解できる。


「それで、あのドラゴンはどうするの!? 食べるの!?」

「もう、ミナったら、食べるわけないじゃない」


 キラキラと目を輝かせて期待するミナに、苦笑するルナだったが、


「えっと、尻尾は食べるよ」

「やったー!」

「食べるの!?」


 万歳をして喜ぶミナに対し、ドラゴンの価値を知っているルナは驚きに目を見開くのだった。





 〜〜あとがき〜〜

そろそろナオミ編も書きたいです!


最新コミック6巻が発売されております!

ぜひお読み頂けますと幸いです!

よろしくお願い致します!


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