旅の再開
俺は自分の家で、旅の準備を始めいた。それは、俺だけではなかった。
優奈、翔祐、慶介、美亜、そして、つい最近俺の家族になった、美紀も支度をしていた。
その、一時間後、俺たちは家を出て、隣の地域に向かった。次の地域は、西地域。
中央西地域に比べれば、人は少ないがそれでも、都会と言ってもいいくらいだ。
俺たちは、バスに乗って、バスは最寄り駅で止まり、僕たちはそこで下りて、電車に乗って、西地域へと向かった。
そして、西地域に着いたとき
「意外と変わらないな」
と僕は言葉を零した。ここは、親父が住んでいた場所だ。今はどこに住んでいるかも知らない。知ったところで、会いに何て行かない。
「あ、あそこ、病院だよ」
優奈が駅からすぐにあった病院を指す。
俺たちは、優奈が際したところを見た。
大きめの病院だった。汚れが一切見当たらない白色の壁に包まれた病院。
俺たちは、病院に入っていって、みんなは待合室に待たせ、俺自身は、病気の人たちを一〇分程度で治した。
そして、みんなが待っている待合室へと戻った。
「お兄ちゃん、ご飯!」
と美亜はお腹に手を押さえて言った。
時刻は、一二時一三分だった。
「そうだな、どこか食べに行こうか」
僕はそう言って、近くにレストランがないか調べたら
「私、この辺で良いところ知ってるよ」
と優奈が言った。
俺たちは優奈について行った。たどり着いた場所は、食べ放題の焼肉屋さんだ。
その店は、肉だけじゃなく、チャーハン、唐揚げ、たこ焼き、うどん、など、小さい子が好きそうなものもある。確かに、良い店かもしれない。
俺たちは早速、肉を焼いたり、飲み物を取りに言ったり、みんなについて行って、食べたい物を俺が取って上げたり。
みんなは楽しそうだったが、俺は全く食べ物を口に入れることが出来なかった。
「真一、あ~ん」
と優奈に良い感じに焼けている肉を箸を挟んで俺の口に近づけてくる。
僕は反射的に
「あ~ん」
と口を開けて肉が口の中に入ってくるのを待った。
いや、僕は待つことが出来ず、肉を口の中に入れる。
焼いたばかりだったのか、少し熱かったが、すぐにその熱さになれた。
柔らかくてジューシーな肉に、ピリッと少しからいタレが絡まり合ってすごく美味い。
「ただでさえ、ここは熱いんだから、少しは控えて」
と淡々と翔祐に言われた。
翔祐は何食わぬ顔でパクパクと口に肉を放り込む。
そこまで、熱いと思われる事はしていないと思うが、知らない間にそんなことをしていたのか。
全くそんなことをした覚えがない。
それよりさっきの肉、本当に美味かったな。もう少ししたら余裕が出てくるだろうから、それまでの辛抱だ。
それから、二時間後。俺を含めみんなお腹いっぱいになった様子だった。
だが、俺たちは休まず次の地域へ向かった。バスで一時間。
西地域とは正反対の田舎町で、ほとんどの人が年を取った人たちばかりだ。
若い人を見つけることが難しいくらいの田舎。
病院も小さな病院だけですぐに能力で病気になっている人を治した。
その後、急いで次の地域に向かって、到着した時にはもう夜だった。
仕方なく、この地域は明日にすることにした。
船か飛行機でないとたどり着けない地域。小さな島で赤道に近いため、冬でも一五度以下になることはないそうだ。
そんなに地域の夜は蒸し暑い。暑苦しくて簡単にその日の夜を超えることはできなかった。
翌日は、寝不足の状態で、三つある病院をすべて回った。
その後すぐにこの地域も出た。そして最後の地域、南島地域についた。
海がきれいなこの地域はサンゴ礁もあるくらい綺麗だ。
小さな島ではあるが人が賑わう場所もあった。病院は大きな病院が一つ。他にも小さな病院もあったが、そこにはエニアメア症の人たちはいなかった。何せ小さな病院だから、その感染症を扱えないため大きな病院を推薦したそうだ。
おかげでエニアメア症消滅が素早くできた。
とうとう明日がくる。
別に別れではない。少しの間だけ離ればなれになるだけだ。
後ろ向きに考える必要はない。世界を救えるのは僕だけなのだから。
俺は別の地へ足を踏み入れるのだ。世界を人類を救うために。
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