犯罪Ⅰ

俺は東島地域に来ている。この島の地域はそこまで広くなくて、病院も一つしかないので、今日の仕事はすぐに終わりそうな気がした。気がしたんだが・・・

「酷い・・・酷すぎる・・・・」

その地域でエニアメア症にかかっている人はこの地域の人のほとんどだ。人数は数えたところ、96人だった。俺はあまりの多さに声が漏れてしまった。

こんなに多くの人がかかるなんて、もしかして、エニアメア症は此処から、発症しているのかもしれない。

俺はすぐに患者に能力を使って、治した。なんで、こんな人たちがエニアメア症にかかったのが、今日の最大の謎だった。だが、その謎はすぐに分かる・・・

俺は病院の近くのホテルの泊まった。時刻は22時前だ。

俺はなんとなく疲れた気がしたので、すぐに寝た。

「・・・た・・・は・・・助けて!」

俺は誰か分からない女性の声で目が覚めた。時刻は23時37分だった。

外がやけに明るかった。俺は部屋の窓から外を見た。俺の目に映った光景は衝撃的だった。その光景は・・・

「もえ・・てる・・・」

病院が燃えていた。火事が起こっている。病院内にいた人たちやスタッフ、町の人たちが協力して、火を消そうとしていた。だが、なかなか、火は消えそうなにない。

俺は小林拓海から、能力をもらわなかった事に後悔した。

俺は火を消すのを手伝いに行った。俺が病院の前に来た時には、病院はほとんど燃えて無くなっていた。でも、まだ諦めたらダメだと思い、俺は火に水を沢山かけた。どんなに消しても、また、燃える。なんだ、この火。全然消えない。

消防車が来た。だが、火は消えなかった。火は綺麗な夜を燃やし、人の心も燃やした。

結局、火が消えたのは翌朝だった。俺はその時間、火傷やけがをした人の傷を治していた。俺は焼失した病院の前を立っていた。今回の火事は意図的に誰かがやったこと事だと俺は考えた。

多分、この地域に能力者がいる。

「くそ、何なんだよ、この地域は!・・・俺は何のためにここに来たんだ・・・誰かを吸うためだろ・・・なのに、これじゃ・・・意味がないだろ!」

俺は拳をさらにぎゅっと力を入れた。

俺はふと、思った。

――もしかしたら、俺の能力なら治す事が出来るかも・・・

俺はそう思って、能力を使った。そしたら、柱まで焼けて無くなった病院はどんどん、治っていった。だが、病院が治っていくほど俺の体力は削られていく。

病院が治って行くのを見ていた、人たちは騒ぎ始め、俺の周りに集まってきた。

「お兄さん、頑張って!」「病院を治してくれ!」「頑張れ兄ちゃん!」

と次々と応援の声が俺の耳の中に入っていった。俺はこの地域の人たちの声を返さないと、期待に応えないと・・・俺はこの世界を救うんだ!

俺はさらに力が入った。さっきまで、ふらふらしていた足をしっかり地面を張って、立った。だけど、人間には限界がある。俺は後ろに倒れた・・・はずだった。

俺の背中を支えてくれている人が居る。誰の手だ?だけどこの暖かい手は懐かしい

『頑張るんだ兄ちゃん!』

『頑張れ真一君!』

俺はその声にはっとして、踏ん張った。俺は誰かの笑顔を守るために、世界を救うために旅をしているんだ。その帰りを待っている人たちがいる。

「俺は、世界を守るんだ!」

俺がそう叫んだとき、病院が治っていく速度が速くなって、病院は元どうりに治った。

一方俺は、体力が0に近くなって、俺は倒れた。気を失って何時間くらいだろう。俺は何も考える事が出来なかった。そのせいで、俺はどこで寝ているのか分からなかった。

――何だろ。寝心地がいい。良いにおいがする。なんの匂いだろ。香水?この香水は・・・彼女のだ!

俺はやっと本当に目が覚めた。俺は目をしっかり開けた。俺は青い空を見ていた。綺麗な空だった。その空を隠すように誰かの顔が俺の目の前に来た。

「おはよう!目が覚めたんだね。お疲れ様」

彼女は言った。

――なんで?なんで優菜が・・・いるんだ

「真一君に何度も連絡したんだけどね、全然繋がらないから、心配したの。そしたら、おじいさんから電話が有って、そろそろ、こっちの地域に行くだろうって、教えてくれたら、アプリで真一君の位置を調べたの」

何て人なんだろう。アプリで人の居場所を突き止めるなんて。いつか犯罪に手を染めてしまうのではないかと不安になる。

「このアプリ、すごく便利だね。これで、いつでも、真一君のところに行けるね」

彼女はさっきから、一人で喋っている。彼女は俺の心の声を大体分かってしまうから、会話は成立する。

「だからって、ここまで来なくていいだろ。俺は次の次の仕事場は中西なんだから」

俺は嬉しかったが少し、怒った。俺の場所が分かっても、俺に近づいても安全とまでは分からない。なんせ俺は能力者だから。そういえばみんなに記憶を消さないと・・・

俺は体を起こして、みんなの記憶の一部を消した。本当に疲れた。俺はもう一度、体を横にした。俺は寝転がって、やっと自分がどこで寝ているか分かった。

俺が今までに寝ていた場所は彼女の膝の上だ。彼女の膝枕・・・・

俺は恥ずかしくなって、顔を彼女の見えないように隠した。

「あれ~、どうしたの?なんで顔を隠すの?」

彼女は俺をからかうように言った。実際に俺をからかっている。

「私の膝枕が気持ち良すぎて、照れちゃってる?」

彼女はさらに俺をからかった。

「そうだよ。気持ち過ぎて、一気に疲れが取れるよ!」

俺は恥ずかしさを隠して、素直に言った。彼女はこんな性格だったか、過去に戻った。絶対にこんな性格じゃない。多分、俺の予想だが、彼女は調子に乗っている。

「でも、・・・変わらず・・・可愛いな」

「え⁉」

俺はつい心の声が漏れてしまった。彼女は顔を赤く染めて俺から目をそらした。やはり、彼女はさっきまで演技をしていた。やはり、こっちの彼女が彼女らしい。

「お、兄ちゃん、目が覚めたんだ」

と少し遠くから聞きなれた声が聞こえた。俺は声のする方を見た。

「翔祐!」

俺は驚いて声を上げた。その後ろから、まだ、幼い子たちが二人俺に飛びついてきた。

『兄ちゃん』

『お兄ちゃん』

と同時に飛びついてきたのは

「慶介!それに亜美!みんな、元気にしていたか?」

『『うん』』

とみんな揃って、返事をしてくれた。返事からみんなは元気だと分かった。

「兄ちゃん、僕ちゃんといい子にしてた。翔兄ちゃんのお手伝いいっぱいしたよ」

「私も!私も!」

と慶介と美亜は俺の約束をちゃんと守ってくれた。

「いい子だ!」

俺はそう言って、二人の頭をくしゃくしゃにしながら、撫でた。

「翔祐も悪いな。まだ、俺が家に帰るのは先だと思うから、それまで

「心配しすぎだった。大丈夫。何かあったら優菜さんに頼らせてもらっているから」

翔祐が自分から誰かに頼るなんて、珍しい。少しは成長したのかもしれないな。

「そうだったのか。悪いな優菜」

「大丈夫よ。それに翔祐君は我慢ばっかするから、逆に私から助ける事が多いんだけどね」

と彼女は言った。訂正する。翔祐はそこまで成長していない。でも、そういうところは変わらなくてもいいかもな。少しは彼女に自分から頼っている感じだし。

みんな、俺もあまり変わっていないな。今日はにぎやかな一日だった。


少年のメモ日記帳にはこの事をこう書かれてあった。

みんなと久しぶりに会った。みんな変わってなかった。俺の好きなみんなだった。今日はにぎやかで楽しい日だった。こんな、日々が続くのは俺次第だな。頑張らないと。

火事の件はすごく気になる。あの日は能力者の物なのは確かだ。一体だれがこんなことを何のためにしているんだろう。少し気になるので、もう少し、ここにいる事にした。


ほぼ毎日書いてすごいね。私なら3日で終わってしまうよ。

それより、火事の件で、能力者が関係しているのは、私も分かった。焼け跡が異常だった。(ドラマと比較しています)

調べるのは良いけど、気を付けてね。って、私たちはこのまま、ずっと真一君といるつもりなんだけどね。最近食事が片寄っているんじゃない。少しは気を付けてね。

これからは、私がご飯を作って上げるから、期待しててね。

あと、頑張ってね。応援してるから。

                        優菜


ありがとう!頑張る

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