北の島まで
俺は今、寝ようとしている。飛行機の中では何もすることがない。暇すぎる。スマホばかり触っているとバッテリーが無くなってしまうから、あまり使わないようにしている。その時俺の耳には
「美羽!美羽!・・・しっかりしろ」
とある若い男性の声が聞こえた。その声で一気に機内がざわついた。俺は気になって、その声のもとのところに行った。そこには大学生の男女二人いた。
「どうかしました?」
俺は彼に尋ねた。彼は本当に彼女に心配していた。どうやら二人は恋人同士らしい。で、彼女の方はすごく疲れた様子だった。いや、すごく苦しそうだった。
彼女は高熱に口から血を吐いていた。
―—この症状・・・・これは・・・!
俺はすぐに彼に彼女を運ぶように指示を出した。俺は係員の人に人眼のないところを使っていいか許可をもらった。
そしてそこで彼女を寝かして、・・・能力を使った。
彼はすごく驚いている。当たり前だ。恋人がいきなり苦しみ始めて、そして知らない男に訳が分からない事をされていたら、誰でも驚く。
俺は彼女の病気をすべて吸い取る事が出来た。
「終わりました。少し安静にしたらまた、元気になるだろう。あの名前を聞いてもいいですか?」
彼は少し恐れていた。
「俺の名前は井川徹。で、彼女が渡辺美羽。俺たちは恋人で、旅行に行く約束をして、で今日行くことになたんですが・・・」
と彼は言った。彼はかなりショックを受けている。
「俺の名は桜川真一。最近流行っている謎の病気を治すために今世界を回ろうとしているんだ」
「それって、治療法がまだ分かっていないのじゃ・・・」
と彼が知っている知識を俺に言った。確かに彼が言っている事は正しい。
「ああ、そうだ。でも、治療法はある。実際に彼女の病気は治った。俺が特殊能力を使って・・・」
彼は特殊能力の事は知らないようだった。それも仕方がないことだ。なぜなら、特殊能力はあってはならない存在で政府の方が出来るだけその情報を伏せている。
「俺の能力はその能力によって、怪我や病気を治す能力だ。で、この事は黙って欲しい。政府の方に話が渡ると厄介だから。だが、もし井川さんの友達は身内の人がその病気にかかっていたら、その事を話してください。そしてここに電話してください」
と俺は言って、俺のスマホの電話番号が書いてあるメモ用紙を渡した。
「美羽を助けていただき、ありがとうございました・・・」
と彼はそう言いながら、頭を下げて、涙を流していた。
「いえ、俺は能力を持っているので、この仕事で、病気を治す事が目的出すから」
俺はそう言って、無事、仕事は終了した。
そして、俺と彼は彼女を連れて自分の席に座った。俺はメモ帳をポケットから出して、さっき助けた彼女の事を書いた。
俺は慣れない事をしているため、今はすごく疲れている。俺はこの仕事を最後までやり遂げることが出来るのか。
いや、出来るのかではなく、やるんだ。俺の帰りを待つ、弟たちや彼女がいると凝りに、俺は胸を張って帰る。
俺はそんな遠くて遠くない未来の事を夢に見ていた。
少年のメモ日記帳にはこう書かれてあった。
―12月15日 渡辺美羽さんが飛行機内で症状が出た。見た感じだと彼女はだいぶ前から病気になっている。そして、それを隠していた。彼女は俺の能力により、病気は治った。
彼は俺に「ありがとう」と言われた。俺は誰かにお礼を言われたくてこの仕事をしているわけではない。誰も悲しませたくないだけだからだ。
これからはこんな気持ちで仕事をするのか。
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