決意の賛成

俺は見たことない天井を眺めていた。

「ここは、どこだ?」

俺は横になっていた体を起こした。そして、昨日、何があったかすべて思い出した。その直後、看護師が入ってきた。

「あの、すいません。桜川翔祐はどうなりました?」

俺は恐る恐る看護師に聞いてみた。看護師は俺に優しく笑顔で

「弟さんはだいぶ落ち着いていますよ」

と言われた。よかったと俺は思いながら胸を手で撫でた。でも、あれは何だったんだろう。俺は右目を触ってみた。でも、何も違和感がない。

「弟さんの事と貴方の事も話すね。弟さんは本当は死んでいたんですよ。でも、貴方の力によって、弟さんは助かった」

俺は話を聞いた。俺の力によって翔祐が助かった。じゃあ、俺があの時、起きた現象が俺の力。

「貴方は特殊能力を得たの。でも、その特殊能力は特殊能力による傷を治す力と特殊能力を持っている人その場で、消滅させる能力だったの」

いつの間にそんな事を調べたんだろう。確かに翔祐の病気を治したのはすぐに分かるけど、でも能力を消滅をさせるなんて、試さないと分からない事じゃないか。

でも、まさか・・・まさか!

俺は看護師の顔を見た。看護師は俺の考えている事を分かっているように頷いた。

「そう、弟さん、翔祐君は特殊能力を持っていたの。翔祐君は人の思考を読むことが出来るの。でも、今は思考が読めなくなったそうよ」

やっぱりそうだったか。俺の予想はあっていた。でも、せめて長男の俺に相談でもなんでも少しでもいいから行ってほしかった。俺に相談が出来なかったって事は相当、能力の事悩んでいただろう。俺は兄失格だと思った。

「あの、話をしたい人が居るんですか。その人と話してきていいですか?」

俺はこの事を彼女に話さないといけないと思った。これからの事、彼女の事、俺の事。

「ええ、構わないわ。ただし、病院は出ないでね」

俺は看護師から病室を出て良い許可が下りた。俺はまず、翔祐がいる病室に向かった。病室は昨日と変わっていなかった。俺は扉をノックして入った。

「よっ、調子はどうだ」

俺はいつもどうりに翔祐に言った。見た感じ体調は大丈夫そうだった。

「うん、ゆっくりしていたから、今は全然大丈夫。それと・・・ごめん。病気の事言わずに、迷惑かけて。それと、能力の事黙っていてごめん」

俺は翔祐にその言葉を聞きたかったわけではない。だから大げさにため息をした。

「別にいいんだよ。でも、病気の事は言ってほしかった。でも、俺も悪かった。いろんな事に悩んでいたのに、気づかなくてごめん」

俺は翔祐に謝った。そして俺はさっきより真剣に翔祐に

「俺は世界を回って、病気を治して、能力を消滅させる。そのために翔祐に頼みたいんだ。慶介と亜美、それと優菜を任せたい。優菜はこの後、ちゃんと話す。優菜は多分大丈夫だから。でも、慶介と亜美は一人で過ごすことが出来ない。翔祐が大変になるのは分かっている。でも、俺は一人でも病気の人を助けたい。だから、頼む。これが俺の最後の頼みだ」

俺は翔祐に深く頭を下げた。俺は翔祐に反対されたら、世界を回らないつもりだ。

「俺からもお願いがあるの」

と翔祐が改まって言った。翔祐の声は真剣な声だった。こんな声は初めて聴いた。

「一人でも多くの人を救って、俺みたいな兄ちゃんみたいな思いを一人でもしないようにして」

翔祐は反対はしなかった。よかった。俺は心から安心した。これで沢山の人を救うことが出来る。

「それと・・・絶対に帰ってきてよ!そして優菜さんに言う事いいなよ」

と絶対破ってはいけない約束を俺は

「ああ、必ず帰ってくるよ。それまで、頼んだぞ」

「うん!」

と翔祐は笑って応えてくれた。俺は翔祐に詳しい話をして、すぐに病室を出て、彼女の病室に向かった。

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