第9話

ジィが歩いている。後ろから

「ジィ 用事があるから なければレイのこところに行くから、飛行艇を出して」

「大丈夫です」


「お嬢様 どうぞ」

「ありがとう」


上段の分部がスライドして開くと飛行艇が空から見えるようになる。

「マザー 高度2.000許可を願います」

「了解 ミサトレーヌさま どうぞ」


「ミサトレーヌさま 第一宮殿に向かいます」

「了解」


ふわと浮くとすぐに上昇しある高度で水平飛行に移った。まるでUFOのようだ。


磁場Ikhetを使ってるだけである。飛行艇のことである。


第一宮殿に着くと

「お久しぶりぶり ミサトレーヌ」なにそんなに急いで走って来たのだ。

「お父様に会いたくて」


「どうしたの? 急に」

「明後日 だからいいじゃない」


「いいけど 今は・・・」

「こっちだよね」

背がすらと

伸びたレイの足が止まった。2歩3歩と離れていくミサトレーヌ。


その回廊から

声がして来た。2人が会話しているみたいだ。ひとりは父親 王位を持つ父である。もうひとりの声は聞いたことのある声だ。


ここでは年齢が一緒。いつまでも若い。体内の細胞を変化させている。


MRIを使い、丹念に身体中の細胞を検査している。


さて話を戻すが、ミサトレーヌはその瞬間見た。ミサトレーヌは何も言わずにその場を後にした。


「もう代わりいるのよ」

「わかった」


「あなたと全く同じ人が」

「わかってる」


「あなたが旅に出ると言った瞬間から」

「わかった・・・ジィに飛行艇に乗らないで帰ると知らせて置いて」


そして走り出した足をはやめた。見開く観衆を一体になる広場である。夕方 人は少なくこちらを見ているモノもいない。  


「ポップ ステップ JUMP-Tion」

空に舞い上がった。眼下にいるものに手を振り、高度を上げた。


頬を使い涙も地面に落ちる。一粒がふた粒になり止めなく涙が落ちていく。誤魔化すように人が見えなくなるまで高度をあげた。


そして止まる。両手を広げて停止した。ゆっくりと涙が溢れてくる。頬に涙の通り道ができそこ大洪水になる前に固まっていく。


まつ毛も凍っていく。涙が堰き止められる。

両手を顔に丸まってしまう。「エーン」と大声をあげる。


急速に高度が下がる。身体の隅々まで黒い棘が現れた。


地面に落下した。「ドォーン」


スパイク


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