まこと君が体育館の側にいる理由

第6幕まこと君が体育館の側にいる理由

別の日の朝

玲奈(学校に到着!まこと君に今日もあいさつして、少し話しをしなきゃな)

まこと君が校門を入ってすぐ横の体育館から玲奈に手を振ってあいさつをした。玲奈は、まこと君に同じく手を振りあいさつを返した。そしてまこと君の方に近寄り話し掛けた。

玲奈「幽霊のまこと君、学校のある日は毎日ありがとうね。でもね、私は今年度で学校を卒業するの。だからもう少しでお別れなの。分かってくれる?」

まこと君「玲奈ちゃんが入学して来た頃から僕は玲奈ちゃんを、ここで見守って来た。それに玲奈ちゃんみたいに幽霊が見える体質になって、僕とコミュニケーションを取ってくれる子は昔にも居た。そしてこの学校を巣立って行った。だから別れが来ることも分かっていたから安心して」

玲奈「フムフム。じゃあ会えなくなっても怒らない?」

まこと君「そりゃそうさ。それにちゃんと別れが近いことを伝えてくれて偉いね。いい子だね。玲奈ちゃんの卒業の日に校門から玲奈ちゃんが門出をする時に見送ってあげるよ」

玲奈「ありがとう。まこと君。それで気になっていたんだけど、どうして体育館の側に朝だけ居るの?」

まこと君「玲奈ちゃんみたいに僕ら幽霊と話せるまでの体質を持った子には、いつも聞かれるなハハッ。その理由はね、僕は心臓が弱くて体育の見学を、この体育館の中でしていたんだ。でも急に心臓発作が起きて死んじゃった。死んだすぐの頃は家族の側にいたけど親も亡くなって居場所が、この学校しかなくなっちゃったんだよね。呪縛霊な訳じゃないから学校の外に行ったりして自由にしているんだ。体育館の側に居るのは僕が死んだ思い出の場所だからさ」

玲奈「フムフム。なるほど。教えてくれてありがとう。じゃあ卒業まで毎朝いつも通りよろしくね」

まこと君「こちらこそ」

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