落ち武者は見守る
第5幕落ち武者は見守る
別の日の昼休みの教室
涼子「あのさ、玲奈ちゃん」
玲奈「なあに涼子ちゃん」
涼子「そろそろトイレの花子さん以外にも私達が小学校の卒業が近いことを伝えた方がいいと思う」
玲奈「そうだね。幽霊のまこと君には特にその辺は、伝えないと卒業後どうなるか予測出来ないからね」
涼子「じゃあ今日は幽霊さん達に私達が卒業が近いことを知らせに校舎を周ろう」
玲奈「あっ……」
涼子「どうしたの?」
玲奈「今、落ち武者さんが現れていたの。きっと私達の会話を聞いていたと思うわ」
涼子「まだいる?」
玲奈「もう消えちゃったわ。やっぱり引っ込み思案だね」
涼子「そうだね。ハハッ」
玲奈「でもきっと、そうして私達を見守って来てくれたに違いない。今までありがとう……。じゃあ幽霊さん達に別れが近いことを言うのは、私一人でするよ。まこと君は朝の体育館の側にしかいなかったりするからさ」
涼子「分かった。頑張ってね!私との付き合いのある幽霊さん達には私のことも忘れず名前出しておいて」
玲奈「任せて。それと今、私がありがとうって言ったら、落ち武者さんがまた現れて、うなずいて消えて行ったよ。たぶん気持ちは伝わったよ」
涼子「そうだね。そりゃ良かった」
卒業前にして落ち武者に見守られていると感じられた二人であった。
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