死が解き放つ

第11話 救出

　「いやあーーーーーーーーーー、いやいやいやあーーー」

　たったったっ、ばたばたばた、どたどたどた。

　「こらあーーーーーーーーーー」

　ご～んご～んご～んご～んご～んご～ん。

　「止めなさあーーーーーーーー、エルピスをいじめちゃ駄目（だめ）っ」

　「ちっ、又来やがった」

　「どうしてエルピスいじめるの」

　「はあ～、何言ってだこいつ、俺達はな、この役立たずを可愛がってやってんだよ」

　「しくしく、しくしく」

　「エルピスが泣いてるでしょう」

　「俺達に構って貰って、嬉し泣きしてんだよ」

　「…違うもん」

　「ぁぁぁあああ～、んだとぉ～」

　「やあーーーーーーーーーー」

　ご～んご～んご～んご～んご～んご～ん。

　「エルピスをいじめちゃ駄目（だめ）っ」

　「・・・・・・うっるせぇ～、頭にがんがん響くぜえ～、だったらここから出せっ」

　「出したらエルピスをいじめないの」

　「いじめちゃいねぇ～よ、愛の形は色々あるんだよ」

　「いやあ～～～ぁ」

　「何それ」

　「あぁー、あ～、ぺったんこには分かんねぇ～事だよ」

　「も、もう直ぐ大きくなるもん」

　「いいからここから出せよ、俺はぺったんこでもＯＫだ、一番に可愛がってやるぜ」

　「ちがうもん、ぺったんこじゃないもん」

　「ぺったんこぺったんこぉ～」

　ご～んご～んご～んご～んご～んご～ん。

　「・・・・・・くそぉ～お前、ここから出たら突きまくってやる、覚えてろっ」

　「エルピス、エルピス、・・・大丈夫」

　「・・・・・・」

　「エルピ」

　「ジュリエット、う、る、さ、いっ、そんなに甕（かめ）を叩（たた）いたら頭痛くなる」

　「…御免なさい」「・・・有難う、助けてくれて」

　「こうしてのぉ、毎日の様にエルピスをいじめる奴等（やつら）を追い払ったのよぉ」

　「春奈（はるな）も変身すれば追い払える」

　「おぉ～、頼（たの）もしいのぉ、じいちゃんを送ったらの、一緒に何とかペンダントを買いに行くかぁ～」

　「行くっ」

　「杏（あん）おばあちゃん、甘やかさないで、駄目（だめ）よ春奈（はるな）」

　「ええがのええがの」

　あぁ～～～、私のばか、結局杏（あん）おばあちゃんに買って貰ったんだよね、スターカラーペンダントＤＸ。

　「エルピスが言ってたお友達はどんな子なの」

　「…誰」「ほら、お留守番の子」

　「…夢」「そうの子」

　「夢って言う名前なの」「うぅん、名前はね、オニロ」

　「オニロとはエルピスはどんな事するの」

　「オニロはね、ころころ変わるの、楽しかったり、えっちだったり、怖かったり、訳分からなかったり、変な子」

　「会いたい」

　「…少し前は、でも今はジュリエットがお話してくれるから」

　「お外に出たくないの」

　「…私何も出来ないから、あっ、いやあーーー」

　「そうだお前は役立たずだ、出来る事は俺達にはめさせる事だけなんだよ」

　「又、止めなさいっ」

　ご～んご～んご～んご～んご～んご～ん。

　「何時（いつ）までも同じ手が通じるか、ば～か」

　「いやいやいや、だめだめだめ」

　「止めてっ、止めてたっら」

　「聞こえねー、聞こえねな、お～、やっぱり入れて欲しんじゃねかぁ～」

　「いやだめ、やあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

　「お優しいジュリエット様はのぉ、とうとう甕（かめ）を開けたんじゃぁ」

　「お外に出られるね」

　「そうじゃ、災禍（さいか）に災難（さいなん）、悪疫（あくえき）に害悪（がいあく）、み～んな外に放（はな）たれたぁ」

　「あっ、悪い子も出てきちゃった」