第8話 神々からの贈り物

 「ママ、神様のお使いだ、って言う危ない人が来てるよ」

 「駄目だめよジュリエット、そんな事言っちゃ、神様はちゃんといるのよ」


 「どうしたんだい、パンドーラ」

 「あっ、エピメ、神様のお使いがお見えになったらしの」


 「・・・まだお前をあきらめてないのかな」

 「ジュリエット、どんな方」

 「若い男の子、牛飼いの杖を持って、羽根の生えたいかれたサンダルをいてて、抜け目なさそうだけど、優しそうな人よ、かめを抱えてるわ」


 「エピメ、ヘルメ様じゃない」

 「あぁ、きっとそうだ、ジュリエット、中へおまねきして、神様の一柱だから粗相そそうのない様にな」

 「はぁ~い」


 ん~、ジュリエット様が先に出来た。

 「ジュリエット様の母上ははうえ様がなぁ、神々からの贈り物を受け取る事になったんじゃぁ~」

 「あんおばあちゃん、ロミオは」


 「大長老様はなぁ~、もっとぉ~後じゃぁ~、ジュリエット様はぁ、あねさん女房にょうぼうじゃからのぉ~」

 「お姉ちゃんなの」


 「そうじゃぁ、」

 「一つ、二つ」


 「あ~、ロミオ様も分らんのじゃぁ」

 「お嫁さんなのに」


 「光の種族はなぁ、不老不死、みぃ~んな、歳を取らん、その見た目は15から、20位じゃったそうじゃぁ」

 「変なの」


 「や~、や~や~や~、パンドーラ久しぶりだね、元気だったかい」

 「ヘルメ様、ご機嫌きげんうるわしく、何よりで御座います」


 「何だい、随分ずいぶん仰々ぎょうぎょうしいなぁ」

 「ヘルメ様、わたくしどもの所へなど、どの様なご用向きで御座いましょう」


 「いやだな~、エピメ、止めておくれよ、僕はただのぱしりだよ」

 「しかし」「普段通りでいいよ」


 「で、では、とにかく奥へ、ジュリエット、ヘルメ様を客間へご案内して」

 「はぁ~い」

 「ジュリエットっ、まぁ、案内と言うほど広くは無いですが」


 「この人、何しに来たの」

 「春奈はるなは、せっかちじゃのぉ~」


 「だって、ロミオ出てこないもん」

 「順番じゃぁ~、えぇ~か」「…うん」

 「ヘルメ様も神様じゃ~、神々からの贈り物を、パンドーラ様、ジュリエット様の母上ははうえ様に届けに来たのよぉ」


 「スターカラーペンダントDXが入ってるといいね」

 「何じゃ、それはぁ~」


 「スターカラーペンダントで変身して、悪い事をする宇宙人をらしめるの」

 「はぁ~、そりゃぁ~凄いのぉ~、神様もびっくりじゃ、しかし、ジュリエット様の頃はまだ、てれびじょ~んはなかたぁ~」


 私、ぽあぽあしてたわりに、話し、・・・意外と、覚えてる。

 「何が入ってたの」

 「ヘルメ様はなぁ、一抱えもあるかめを持っておってのぉ、その中にはなぁ、色んなわぁ~るい事や、ひどい病気がいっぱい入っておったぁ」

 「春奈はるならない」


 「ここに置かせてもらうよ」ごとん。

 「それでヘルメ様、ご用向きは、どの様な」

 「これだよエピメ」ごんごん。


 「立派なかめですわね、でもこれが私達にどの様な」

 「うん、これはね、神々から君への贈り物だよ、パンドーラ」


 「何故私なのです」

 「う~~~ん、分からない、僕はただのぱしりだからね」

 「ママ、すごいね、神様からの贈り物だって、何が入っているのかな、開けてみようよ」


 駄目だめっ、絶対開けちゃ。

 「あぁ~、駄目だめ何だよ、ジュリエット、でかったかい」

 「ええいわ、お兄さん優しそうだしゆるしてあげる」


 「これっ、ジュリエット、これでもヘルメ様は神様なのよ、あっ」

 「・・・い、いいよいいよ、パンドーラ、その通りだからね、あははは、はぁ」


 「申し訳ありません、ヘルメ様」

 「まぁ、そんな事より、主神様より言伝ことづてがある、心して聞きなさい」

 「はぁ、で、どの様におおせなのでしょう」


 「『決して開けてはならぬ、大事にしておれば、いづき事がある』と、おおせだ」

 「・・・何故開けてはならぬのでしょう」


 「いやぁ~、僕にもさっぱり分からないんだ、エピメ」

 「分かりました、おおせのままにいたします」


 「う~ん、そうするとい、じゃ、僕は帰るよパンドーラ」

 「ジュリエット、お見送りをして」

 「はぁ~い」


 「エピメ、パンドーラ、ジュリエットも、息災であれ」

 「ぇぇぇえええ、飛んで行っちゃたっ」

 「だから言ったでしょう、ああ見えて神様なの」

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