第4話 微増

 「神様の御加護を受けてのぉ、人が死ぬ事は無かったとぉ」

 「神様が守ってくれたの」

 「あぁ~、そうじゃぁ~」


 「今は」

 「さぁ~のぉ~、神様のお考えは、ばぁ~ちゃんには解らんでぇ」


 「助けて欲しい人、いっぱいいるのにねぇ」

 「かもしれんのぉ~、じゃがのぉ~、神様が守っておっても、人はなかなか増えんかったぁ」


 「ふーーーん、増えるには増えてるけど、なっかなか増えないねぇ~」

 「あ~、みたいだね、うちは結構増えてるよ」

 これは三柱の内の真ん中の神様で、海をおさめるぽーちゃん、だったと思う。


 「へぇー、どうやって増やしたのさ」

 「そらぁ~、増やすっつたら、一つでしょう」


 「えっ、何」

 ばちーーーん「・・・いーったっ、何すんだ、ぽーちゃん」

 「兄貴がとぼけるからだろう」


 「な、何ぉ~」

 「少し、手伝った」


 「はっ、・・・ちょっと待って、・・・えっ、それ有りなの」

 「灰がさ、風に吹かれて俺がおさめる前に、海に届いてたみたいでさ、それをらった魚がさ、姿を変えてたのさ」


 「ほぉ~、それで」

 「いやぁ~これがさぁー、けっこういける子でさぁ~、・・・できちゃった」


 「はあ~、魚だろう」

 「敵とは言え、俺らと同じ神だ、その灰をらったんだ、ノープロブレム」


 「ほっ、ほ~~~、・・・実は、気になってる子とかいるんだよねぇ~」

 「でも流石さすがにさ、嫁にばれちゃって、一月ぐらい家に入れて

もらえなかった」


 「あーーー、そうだよなぁ~、そ~なるよなぁ~、アムちゃん、おこってたっ」

 「もうもう、鬼の形相ぎょうそう


 「うちのはきついからなぁ~」

 「・・・姉さん、いかくるうと、何するか分からないとこあるからなー」


 「だろう~」

 「でもさぁ~、その子との間に出来た息子からさ、広がったのも事実だから」

 「あいつ等との間に出来た子は、相性良いのかもな」


 何だろうね、この神様達、ろくな人達じゃないわ、・・・神様か。

 「お嫁さんおこってるのに、いいの」

 「そうじゃなぁ~、神様はなぁ~、ずぅ~っとずぅ~っと生きとる」


 「ずぅ~っとだったらいいの」

 「春奈はるなぁ~、おうちで、ずぅ~っとずぅ~っと、お勉強してなぁ~」


 「えぇ~~~、遊びに行きたぁ~い」

 「そっかそっか、神様も色々な事がしたいのよぉ」


 ふ~ん、そう言うものなのかな、悠久ゆうきゅうの時を生きるって。

 「そして神様はなぁ~、人を沢山たくさん増やす為にのぉ、女神様の目をぬすんでは、人の娘の所へ行く様になったんじゃぁ~」


 「えっ、御目目おめめ取っちゃたのっ」

 「あ~~~、いやいやいやぁ~、ぬすむとうたわなぁ、こっそりと分らぬ様にしたとう意味よぉ」


 「御目目おめめ無くなっちゃたかと思った」

 「すまんかったのぉ~」


 「ねぇ、彼女ぉ~、俺と良い事しなぁ~い」

 「・・・」


 「ねぇねぇ、良いじゃん、俺、神様だから」

 「はあー、何言ってのばーか」


 「いやいや、本当なんだって」

 「あっち行ってっ、神様があんたみたいに、チャラい訳ないでしょう」


 「ほんと~なんだって」

 「いいからあっち行って、神様ってもっとおごそかで恰好かっこう良くって素敵すてきなんだから」


 「神様、お姉さんにられたの」

 「あぁ~、振られたぁ~」


 「神様なのに、恰好かっこう悪~い」

 「あぁ~、だからのぉ、神様は考えたのよぉ」


 「おそったの」ませ餓鬼がきっ、私、何考えてんの。

 「うんにゃぁ~、神様じゃからのぉ、そんな事はせんのよぉ~」


 「じゃぁ~、どうしたのぉ」

 「恰好かっこう良くしたんじゃぁ」


 「う~ん、どうしたら落とせる、なぁ~、ぽーちゃん、どうしたら良いと思う」

 「そう言われてもなぁ~、姉さんに知れたら、俺、怖い」


 「じゃ~、アイデース、お前は何か無い」

 「だから兄貴ぃ~、増えるの待つんじゃなかったの~」


 「だぁ~って、なっかなか増えないんだもん」

 「・・・要するに、兄貴が神と分かれば、良いんじゃないか」


 「でも、ぽーちゃん、具体的にどうしたらいいと思う」

 「そう言われてもなぁ~」

 「じゃさ、権能けんのうを使って、黄金の雨になって彼女のいる所に降り注ぐとか、どうかな、演出だよ兄貴ぃ~」


 「おーーー、アイデースそれだよそれ」

 「ならさぁ、黄金のわしになって、彼女ところへ飛んで行くはどうよ」

 「おーーー、ぽーちゃん、それも良いな」

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