断罪イベントを無事終えたのでメイドと執事を連れて旅に出ようと思います

ソール

第1話

私は前世を持つ悪役令嬢。

人生とはこんなに簡単に事が進むのかと驚いている。

私は赤ん坊の頃から前世の記憶を持っていた。悪役令嬢というのも直ぐに分かった。そこからあり得ない程の努力もした。誰から見ても完璧な公爵令嬢になった。悪評なんて広めない。誰にも八つ当たりなんてしない。ゲーム上の馬鹿な悪役令嬢何かと全然違を演じた。けれどゲームゲーム。ストーリー通りに進む物なのだ。


そうで無ければ今パーティ中に婚約者に呼ばれて可愛い女がいて大声で馬鹿な事を言っているのは何だ?

「ルフィア・セトローズお前は非道な悪行を働いた。よって貴様との婚約破棄をさせて貰う。」

「何故でしょうかエレスア殿下?」

「とぼける気か?貴様の悪事は全てこのミリアから聞いた!」

一々大声を出さないと死ぬのだろうかこの男は?

ミリアとはヒロインの名前だ。このヒロインの言う事を聞くなんてこの国の王子ももう終わりだな。いやこの国が終わりなのか…

「とぼけるも何も私はそんな非道な事をした覚えはありません」

此処で言い訳をしたとてこの国の王子は馬鹿だから私を悪役に無理でもする気だ。

「まだシラを切るか!」

「シラを切る?何のでしょうか?大体私はそこに居るスウォンさんと面識なんてありませんよ。なのにどうやって非道な事が出来るのでしょうか」

このミリアさんはスウォン男爵家の一人娘だ。多分甘やかされて育ったに違いない。自分こそが美しいと思っているのだろう。飛んだ馬鹿女だ。


私達が言い合っているとヒロインが私達の真ん中に立ち

「ルフィア様!ご自分がした事を認めて下さい。私は貴方に嫌がらせの数々を受けてきたのに、ううっ」

嘘泣きなのが直ぐに分かる。

「おお、何と可哀想なミリア。ルフィアお前は私とミリアが親しくしていた事に嫉妬したのだろう?だから嫌がらせ行為をしたのだろう?」

本当に馬鹿。その女の顔ちゃんと見てますか愉快に乱れた悪人の顔ですよ。

馬鹿だから分からなくても無理は無いんですけどね。

「そんな事していません」

「お前の悪行を目撃した奴はこんなに居るんだぞ!」

そう言って指を刺した王子の先には何人もの人が並んでいた。

これが私の悪行を目撃した人?そんな訳無いだろう。でもきっとこの人達はあの子達が用意したのだろう。

ならば乗っかる以外の術は無いな。

「分かりました。貴方とは婚約破棄を致します。」

此処で私は退散をする。

悪役になってしまったのだから。




これでやっと私は解放される悪役令嬢という役目から。


「シフォン、ミカエナ準備は出来てるかしら?」

「「はい」」

「では行くわよ!私達の安息の地に」


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断罪イベントを無事終えたのでメイドと執事を連れて旅に出ようと思います ソール @Juts

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