2.5 ソーサラーの低レベル魔法(4~6)のレビュー的な

 この辺りからソーサラーは覚えるべきルールが増えてくる。大変だが様々な役割をこなせる、という事でもありゲームとしての面白みは大きく増してくる。


Lv.4

【ファミリア】……A

 行使に1時間かかり、同時に複数体持てず、消費MPも大きく、単独でいるところを狙われるとリスクが高い……と難しい点も多いが便利。

 ソーサラーの泣き所であるMPを事実上増やせるのは大きい。また、感覚共有を活かし、盗み聞きや先行させての探索にも使える。同行させておくだけならばリスクは小さいので覚えたらセッション始まる前夜に行使させてもらえないか確認しても良いかもしれない。

 敵に行使させて監視カメラ代わりにするのも良いかも。



【マーキング】……C+

 使い方は限定的だが迷子になりやすい状況(ウィルダネスダンジョンとか)で使っておくと役に立つだろう。また、捕虜から目を離さなければならない場合等に行使すると逃げられたときに早く気付ける。

 シナリオによってしまうが刺さる場面はそれなりにあり、消費MPも少ない、戦闘で役に立ちにくい魔法の中ではありがたみが大きい魔法。

 エネミーも同じ用途で使うことが出来るので「奪還しなきゃいけない対象だけ奪還されてボス戦を回避された」の予防に使える。



【ライトニング】……A(2手目以降は B-)

 覚えたら1巻 P.181 にある貫通の解説を確認しておこう。

 《鷹の目》無しでも敵後衛に対して後衛から打撃を与えられるのは強いが、確実でない。また、《魔法制御》なしでは味方を巻き込む可能性がある。味方が前にいる可能性の高い2ラウンド目以降に価値が暴落する。

 しかし、初手に【リープ・スラッシュ】と同等の威力をより遠くまで同じ消費MPで発揮できるのは強い。

 エネミーが使う場合、後衛に向けて放つことで事実上の範囲攻撃にできる。【リープ・スラッシュ】より遥かに安く、継戦能力で大きなアドバンテージが得られる。


Lv.5

【ウェポン・マスター】……C+

 強力ではあるがこれを前提とした構成にしているとPCが威力を発揮できない場面があるかもしれないために、戦術に組み込むことは難しい魔法。敵の回避が予想外に高い場合に《囮攻撃1》や《牽制攻撃1》を前衛に覚えさせる、みたいな使い方はあるか。しかし、その場合は別の手段で支援したほうがいいことがほとんどだろう。

 エネミーに使わせたときは予想外の動きをできて面白い。かばうファイターを《鎧貫き1》を習得した雑魚に攻撃させたり、回避力の高いキャラクターに《囮攻撃1》した後に《牽制攻撃1》させるといったことが可能。



【ウォール・ウォーキング】……C+

 見えているが解除困難な罠を迂回したり、探索でショートカットしたり、深い穴を安全に降りたりするのに使える。また、激しい水流に逆らっての移動も可能だろう。この手の魔法には珍しく術者以外に効果を発揮させることができるのもポイント。

 ただ、両足が離れると効果が切れるため、戦闘中は使えないと裁定されそう。

 エネミーに使わせて、天井から奇襲なんてのも面白いかもしれない。



【トランスレイト】……C

 非常に強力な魔法なのだが、必要になるシチュエーションがあまりない。GM としてはこれがあると嬉しいシチュエーションを用意するのも面白いかもしれないが、PC が習得している言語を出すことの方が多いだろうし、そっちの方が優先順位は上だろう。

 術者にしか効果を発揮しない点にも注意。



【ブラスト】……C- (魔法戦士ならA)

 リープスラッシュより少ない消費 MP でより高いダメージを与えることができる魔法……と書くと強そうに見えるが射程は接触。《魔法拡大/数》の恩恵を受けられないし、そもそもこの魔法を使えるレベル帯で魔法使いを前衛に出すことはまずない。この魔法を使っている時点で負け戦だろう。

 ただし、ソーサラーを兼業する魔法戦士が使う場合は話は別である。回避力ないし防護点が高い相手に必ずダメージを与えられる手段として使っていける。原則として物理攻撃と違い魔法は抵抗されてもダメージが半減されるだけでダメージそのものは発生する。マルチアクションと組み合わせて連撃を打ち込んでも良い。

 エネミーに使わせるときは魔法戦士と同様にマルチアクションで苛烈に攻めると良い。攻撃を当てにくいないし当ててもダメージが入りにくい相手に行使して焦らせてやろう。



Lv.6

【コンシール・セルフ】……C-

 術者にしか効かず、効果中は制限移動しかできず、判定をすると効果は解除される。張り込み調査には使えるかもしれないが能動的な調査には利用できないだろう。さらに消費 MP も膨大。せめて消費 MP が少なければ用途が増えたと思う。

 戦闘中に行使し、バレないように敵を迂回して突破するのに利用できなくはないが、制限移動しかできない以上かなり時間がかかる。

 エネミーに使わせると待ち伏せを仕掛けやすいだろう。PC だと自分にしかかけられず、姿を現したところで袋叩きに遭うが、エネミーならある程度その辺りのコストを受け入れやすい。



【ハード・ロック】……C+

 合言葉で鍵を開閉できるようになるので大変に便利。本来の鍵や解錠判定では突破できなくなるため、強い。扉の破壊もできなくなるため何かから逃げている最中の扉にこれを行使すればかなり時間を稼げる。しかし、そもそも必要になるシチュエーションがどれだけあるのか、という別の問題はある。また、【アンロック】されたら達成値の比較になることには注意。

 エネミーに使わせる際は合言葉での開閉が可能であることに着目してシナリオに組み込むと面白いかも。この魔法を受けた扉は合言葉無しだと壁だが、合言葉があれば通路になると考えれば追いかけたり追いかけられたりする際に利用できる。



【ファイアボール】……A- (2手目以降なら B-)

 ソーサラー待望の範囲魔法。圧倒的コストパフォーマンスで数拡大【リープスラッシュ】や【エネルギーボルト】を過去のものにする。射程距離も30mと良好。

 ただ、《魔法制御》が無ければ仲間を巻き込む可能性があるため初手しか使えない。現実的に《魔法制御》は早くて Lv. 7 からの習得だろうから Lv. 6 では使い勝手が若干悪い魔法となる。また、炎属性を無効化する敵は少なくないので注意。同時に前衛がドワーフなのであればどんどん巻き込んで放っていけるので便利。前衛にドワーフ「しか」いないことはほとんどないが覚えておこう。



【レビテーション】……C-

 術者のみ有効な魔法。高いところに登れるが高さは 10m が限界なので注意。効果時間も3分と短い。また、浮遊時は制限移動しかできない。探索中はより安い【ウォール・ウォーキング】で十分なことも少なくないだろう。

 しかし、接地していなければ回避できる攻撃を回避するのに便利なので存在は覚えておこう。戦闘中に利用価値があるかも。


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