ソード・ワールド2.5 メモ

2.5 コンジャラーの低レベル魔法（1～3）のレビュー的な

この記事は TRPG ソード・ワールドなんでも Advent Calendar 2019 への寄稿記事です。

https://adventar.org/calendars/4450

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A 性能が高い魔法

B まあまあの魔法。それなりに使う

C あまり使わない、ないしは性能が微妙な魔法

　　PL ならばサンプルキャラクターのタビットの魔法使いのコンジャラーとソーサラーのレベルを置き換えたことを前提として書いている。

　　なお、ソーサラーと違いターゲッティングを要する魔法がかなり先まで出てこないのは覚えておいた方が良いかもしれない。

Lv.1

【エンチャント・ウェポン】…… B+

　消費 MP2 点と比較的安価とはいえ増えるダメージは1点。ただし、仲間にグラップラーがいる場合は実質2点の増強であり悪くない。また、金がない時期に「通常武器無効」の敵が出てきた場合に助かるかもしれない。弱い魔法じゃないのだが、レベル3の【ファイア・ウェポン】が立場を大体奪っていく感じがする。

　敵が使う魔法としては底上げになるのでやることに迷った場合や、先手を敵が取った場合に初手に使う魔法として有効かもしれない。

【スパーク】…… B+

　消費 MP は6点とかなり大きいし、威力も0と頼りないが Lv.1 から範囲攻撃ができるのはすごい。射程距離も30mとかなりのものだし、一部の魔動機が雷属性弱点なのも見逃せない。弱点分は抵抗されても半減されない（ルールブック1 の P.190参照）ため、極めて高い効果を期待できる。

　ただし、乱戦になってしまった場合は味方を巻き込むため利用が難しい。初手で放つのに強い。

　敵が使う魔法としても後衛に放つと低威力とはいえ緊張感を与えられてよいだろう。逆に前衛に放つのは難しい。ただ、仲間の犠牲も厭わない悪党という演出として敵味方巻き込む形で放つ、というのはあり。

【ダークミスト】…… C+

　消費 MP は2点だが効果時間が短く抵抗も消滅。範囲魔法であるため乱戦になったら使いにくい、となんとも微妙な魔法。ソーサラーのパラライズとは違い初期作成でも使える、というのは強みだがそれ以外に強みがあまり感じられない魔法。

　前衛の人数が多くてそれぞれが別の相手を狙いたいときとかならばありかもしれない。また、前衛が全員防護点が高く回避を前提としていない場合に前衛を巻き込んで放つ、という手もある。

　敵が使う場合は割と便利な魔法ではないか。後衛に放っても無意味なので前衛に放ち、前衛の戦闘をテンポよいものにする、といった使い方がある。仲間の犠牲をも厭わぬ悪党としてプレイヤーのヘイトを稼げる面でもよい。

【プロテクション】…… B

　仲間一人の受けるダメージを1減らす。消費 MP は1点とお得だし、魔法ダメージも減らせるし起点指定なので誤射しないしでかなり良い。ただ、前衛には【フィールド・プロテクション】を使ってから前衛に突っ込んでいってほしいものである。その上でこれをかければ2点軽減で大変にありがたい。

　手番が空いたら使うとよいけどより優先順位の高い行動は他にもあるのでは。

　敵が使う場合はかなり微妙。いたずらに戦闘を長引かせてもしょうがないし……

Lv.2

【アース・ヒール】…… A-

　知ってたか？プリーストじゃなくても回復魔法は使えるんだぜ？威力が10ではなく0である点でプリーストの同レベル回復魔法には劣る。ただ、プリーストがいなくても回復ができる点やプリーストだけでは回復が追い付かない場合に補助の回復として活躍できる点を考えると大変に強力な回復手段。

　射程距離が10mと短い点には注意。

　敵に使わせる場合、回復量が不足気味であまり意味を感じないかもしれない。マルチアクションと組み合わせたり魔法拡大/数したりしないと無駄行動感が否めない。

【カウンター・マジック】…… A+

　低レベルコンジャラーの代名詞その1。愛称はカンタマ。消費 MP 1点という破格で精神抵抗を +2 する脅威の魔法。

　何を大げさな、と思うかもしれないが、敵の魔法攻撃は大変に恐ろしい。攻撃魔法を抵抗できなかった場合、クリティカルする可能性がある。また、ナップやブラント・ウェポン、ダークミストなどといった受けたくない致命的補助魔法も色々とある。その中にあって魔法に抵抗できる可能性が大幅に上がるこの魔法はかなり強い魔法だ。

　なお、敵が使う場合はこれを使うくらいなら攻撃すべき場面も少なくない。敵の防御を固めてもプレイヤーとしては面白くない場合が決して少なくないのである……

【コマンド・ドール】…… C

　トラップがありそうなんだけどわからないなぁって場面で人形を歩かせる、といった使い方がある。ただ、消費 MP が4点と若干重い。罠を受けて【アース・ヒール】を2回使う羽目になるくらいならばこちらの方がよい、というのはあるかもしれない。

　敵が使う場合も使い道があまり思いつかない……

【ファナティシズム】…… A

　低レベルコンジャラーの代名詞その2。通称ファナティ。「どうする？」「ファナって」なんて会話もたまに見かける。初期作成では希少な命中強化のバフである。消費 MP は3点だが18ラウンド有効。このゲームだと実質永続である。

　回避に -2 のペナルティが乗る点についてはちょっと相談が必要だが、ボスとの短期決戦等では威力を発揮するだろう。マギテックシューターがいるならばとりあえずかけておきたい魔法。

　敵が使っても有用。プレイヤーとしては攻撃が全然当たらないのはあまり面白くないが回避ペナルティが発生するこの魔法で解決するし、プレイヤーとしては敵の脅威度が低すぎるとあまり面白くないが命中ボーナスが発生するこの魔法で部分的に解決する。

Lv.3

【ファイア・ウェポン】……A-

　【エンチャント・ウェポン】のお株を大体奪う魔法。消費MPは倍だが効果も倍。植物は炎弱点がそれなりにいるので植物を相手にする場合はさらに有利を取れる。

　攻勢に出るときはファナティシズムと組み合わせてガンガン前衛に攻めさせると良い。

　敵が使っても同様に有効であり、敵の脅威度を高めるのに一役。炎属性付与のため、ドワーフを相手にする際は注意。

【レイジング・アース】…… C

　効果は決して小さくないんだけど消費 MP7 はちょっと大きすぎる。回復の総量も魔力に関わらず9点なので場合によってはサンプルキャラクターだと【アース・ヒール】の方（魔力7で威力0）が総回復量の期待値は上。

　最初にかけてしまえば毎ラウンド回復が発生するので回復に手番を使わなくて済む、とか考えることはできるがこれで間に合うようなダメージ量なら後で【アース・ヒール】した方がいいのではとも思う。ただ、【アース・ヒール】と組み合わせて使うということもできるので回復速度が上がる、という考え方はできる。

　敵としても使いにくい魔法だと思う。プレイヤーがやたら防御に凝って攻撃力が低すぎる場合に「もっと攻めないと倒せないよ」と遠回しに伝えるために使う、とか……？

ソーサラーに比べて高い評価になってしまった気がする。