2.5 コンジャラーの低レベル魔法(4~6)のレビュー的な

Lv.4

【ディスガイズ】……C+

 すぐにできる簡単な変装。この手の魔法には珍しく他人にも行使できるしコストも高くない。下級蛮族位ならごまかせるだろう。人族・蛮族にしかなれないことと、大きさはごまかせないことに注意。

 ただ、これを使う場面がそんなにあるか、と言われるとちょっと……



【ドールサイト】……B-

 単体だと固定の監視カメラとしてしか使えないが、他の魔法と組み合わせると先行偵察とかにも使える。ぬいぐるみをゴーレムにくくつけよう。

 もちろん、敵も同様のことができる。ただ、効果時間が1時間なので待ち伏せに使うのは現実的ではない。3交代制で《魔法拡大/時間》6倍させる、といった熱意が必要。事前に敵襲に気付いている場合などに慌てて設置したという手はある。その場合に冒険者が不自然な人形に気づける余地を残しておくと良いだろう。



【フォビドゥン・マジック】……B-

 3レベル以下のみだが、【アウェイクン】や【ファナティシズム】といった頻出魔法が含まれる。ドレイクのお供なトロールに通ると高い効果を発揮するだろう。


 しかし、抵抗されたら消滅だし、レベルが上がると選択肢が増えて被害は小さくなる。これを使うより優先順位高い魔法は他にもあることの方が多い。


 敵に使わせると「【アウェイクン】のためにプリーストを履修した」みたいなPCに効果を発揮することも。



【ポイズン・クラウド】……C

 抵抗が通れば18ダメージを与えられる魔法だが抵抗消滅。即効性もない。一応、抵抗が通る前提ならばスパークよりもトータルでなら高いダメージが期待できる。敵が密集しているところに打ち込んで遠くから眺める、という使い方はちょっと趣味が悪いだろう。


 敵に使わせると継続的にダメージを与えられるので PC へのいい嫌がらせになる。長期戦が見込まれる強敵に後衛から行使させよう。前衛に毒を無効化するエネミーを配置した上でやるとさらにヘイトを買える。



Lv. 5

【アース・シールド】…… B-

 防護点が2増える、というのは強力。しかし、軽減量が半分とはいえ消費 MP が安価で済む上回避不能である魔法ダメージも軽減できる【プロテクション】に比較するとそこまでグッとは来ない。


 軽減量は【プロテクション】より上なので物理攻撃主体であることが分かっている敵が相手の場合はありがたみが大きい。《かばう》担当者にかけるだけで大変に気持ちよい思いができる。


 敵に使わせる場合、【ブラント・ウェポン】と違い確実に PC からの攻撃を軽減できる面で強い。攻撃回数で戦うグラップラーへの嫌がらせに。



【インテンス・コントロール】……A-

 ゴーレムを使う前提ならかなりありがたい魔法。前半のゴーレムはそれなりに強いので、鬼に金棒。後半になるとゴーレムは大体の場合において PC に劣る戦闘力となるため、戦力としてカウントしたい場合は必須になるだろう。消費 MP に対して効果時間も効果量も十分に大きい。


 敵に使わせる場合、結構強力なので注意。格上として出したゴーレムにかけちゃうと想定外の能力を発揮してしまうかもしれない。



【スペル・エンハンス】……B-

 貴重な魔力の増強手段。魔力の上昇は抵抗が通しやすくなる他にも単純にダメージや回復量を1増やす、という利点もあるためあらゆる点で効果を発揮する。


 ただ、これを使う余裕があるかは疑問。コンジャラーが抵抗を通したいような魔法を使う機会は少ないし、強敵との戦いにおいては防御魔法や前衛の強化を優先した方がベターな場合も多い。弱敵が相手ならばとなりにいるソーサラーに行使し、ソーサラーの範囲魔法で初手で確実に敵を全滅させる、という手段はある。



Lv. 6

【カウンター・センス】……C-

 正直に言うと当初使い道が分からなかった。原則として魔法は対象を目視できる環境でなければ行使できず、冒険者は大体の魔法について知識をもっているものだからだ。そのため、この魔法で得られる情報が役に立つことがほとんどない。しかし、失伝した魔法や新しい魔法といった PC が知りえない魔法を GM が設定しているようなセッションでは威力を発揮する。


 多数の人がいる場所において誰が魔法を行使したのか分からないと困る状況で利用できるかもしれない。ただし、事前にそういう人がいる、ということが分かっている必要がある。


 他には対象を視界に収めてなくても行使可能な魔法への対策に使える。蛮族であれば【サーチ・バルバロス】を行使した対象がどこにいるのかを把握できるのは強みになるだろう。


 使い道はあるが、他の魔法に比較して限定的である。



【スタン・クラウド】……A

 上手くキマるとワンサイドゲームに持ち込める紳士協定魔法。GM が行使するときは本当に行使していいのか考えること。紳士協定なんてない卓なのであればバンバカ使おう。


 PC が使う場合、敵が《魔力撃》や《マルチアクション》ないし《全力攻撃》で苛烈に攻めてくるときに使うとその威を削ぐことができ便利。


 敵に使わせた場合、《かばう》《魔法拡大》《魔法制御》やエンハンサーの練技、補助動作での賦術といった PC が使える強力な能力をことごとく潰せる。毒の効果に対する耐性を得ておかないと危ないよ、という印象を強烈に与えたうえで使うなどという工夫をすると面白いかもしれない。マギテックシューターがいる場合はやめてあげたほうがいいかも。



【マナ・アブソーブ】……C+

 使い道が広い魔法。ただ、抵抗消滅だし効果時間も3ラウンド。


 《魔法拡大/数》で攻撃魔法をどんどん使ってくる敵にかけてあっという間に MP を枯渇させる。

 HP がピンチな仲間にかけた上で【ソリッド・バレット】を1ラウンドに複数回行使させて HP を強引に回復させる。


 ただ、範囲魔法であり魔法の行使だけでなく練技にも効果が及ぶため仲間がこの効果を受けると大幅に行動を制限されるので注意。GM が行使するときはこの辺を考えながら使うと良い嫌がらせができる。



【リモートドール】……B

 【ドール・サイト】で「先行偵察に使える」と書いたがこれを覚えたらこっちを使おう。ぬいぐるみを送り出して探索させることができる。ぬいぐるみもぬいぐるみとは思えない高い身体能力を発揮してくれる。


 ただし、効果時間中は自分は視覚も聴覚もなくなる点に注意。仲間に護衛してもらうこと。その辺は任意切り替えできる【ドール・サイト】の方が利便性はある。


 GM をやるとき、PC への依頼をこの魔法で出す依頼者、というのも面白いかもしれない。

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