ベリーパフェ。
とあるチェーン店で食事をする事になった。
あまり、食欲が無かった私なのだが、メニュを捲っていた手がピタリと止まった。
其処には、ベリーパフェと書かれており、メニューの写真には宝石の如く幾つものベリーやゼリーに雪のように白いホイップクリームが見事に立派だった。
食べる宝石のようだった。
パフェとは、惹かれるものがある。
あんなにもふんだんに甘いもの、美しいものを詰め込んだ姿は、宝石箱のようだ。
注文して、届いたパフェは、本当に見事だった。
紅色の透き通ったゼリーやラズベリーにストロベリー、
甘くてふわふわしたホイップクリーム、
粉雪のような粉砂糖が息を吹きかけただけで溶けてしまいそうだった。
銀色のやたら長く、細いスプーンでラズベリーとホイップクリームを掬って、 一口、ラズベリーは冷凍のものらしく、シャリシャリとした食感が楽しかった。
甘酸っぱさをホイップクリームの甘さが優しく包み込み、
口の中を幸せで満たしてくれる。
そんな風に一段目をペロリと平らげ、お次はベリーゼリーのお出ましだ。
宝石のように透明のようでいて、その輝きは目が眩みそうだ。
パクリと一口、
ちゅるんと喉を伝って、甘酸っぱい瑞々しい食感が癖になる。
一口、また一口、そして一口、
お次はホイップクリームとベリーアイス。
口を冷やす冷たさをホイップクリームが包み込んでくれる。
全てを愛し、包み込むその味は、例えるならば、聖母のようだった。
最期の一口で私の腹は甘さという毒に侵され、
勢いよく冷水を流し込んだ。
カランと氷がぶつかり合う爽やかな音が響き、
私の戦いは終わった。
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