回答のランダム化

「お助けください転生・転移者様!ギルドのルールを破ったことがある人数の割合を調べたいのですが、みんな正直に答えてくれないのです!」


 このような答えにくい質問の場合、本当のことを答えてもらう保証はない。チートスキル『心読み』を使う前に現代知識に頼ってみよう。


 今回は『回答のランダム化』という方法を使う。

 このように質問をしてみよう。


「コインを投げて表だった人は『はい』を、裏だった人でルールを破ったことのある人は『はい』、してない人は『いいえ』と答えてください。」


 このように質問をすれば、表だったからか、それともルールを破ったから『はい』と答えたのか本人以外には区別がつかない。


 ゆえに回答者は正直に答えやすくなる。この方法を『回答』のランダム化という。


 あとは計算をすれば、回答者の何割がルール違反をしたかがわかる。100人に質問をしたところ60人が『はい』と答えた。


 ここで早とちりなギルド長が「60%もルール違反者がいたのか!けしからん!」と息巻き始めたが、もちろんそんな訳はない。


 コインが表になる確率は2分の1なので、そのうち50人はコインが表だからはいと答えたことになる。


 コインが裏の50人の中で『はい』と答えたのは10人。つまり全体の20%がルール違反をしたことがあると分かった。


 答えにくい質問でも工夫次第で聞き出すことができる。


 知っててよかった現代知識。



参考資料 Newton 増刊 vol.2 60分でわかる統計

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