心の扉
クースケ
心の扉
誰にでも来る一日の始まり
気づけば流れて行く 当たり前の事ではない。
この日は特に
時間の尊さを知る1日だった。
目を開ける…
カーテンから漏れる
まぶしいながらも優しい日の光が
顔一面に降り注ぎ
ほんわか火照り温かさを帯びる
手を当てると感じた。
日の光のありがたみを一層感じるほどに、、、
朝日 楓それが私の名前だ。
この名字になのは偶然な気はしなかった。
今日は、彼と暮らし始めて3回目のクリスマス
の特別な朝だ。
年に一度の
クリスマスと言うこともあり もちろん。
プレゼントも買った。
渡した時の
彼の満面の笑みが 頭によぎり、私を離さない
想像が私の中で広がりニヤつきが止まらなくなっていた。
時計を見ると短い針は、7時を示していた。
(彼は8時に仕事が終わる。この時間に作れば十分間に合う。
今日はどこに行こうかな?)
彼と一緒ならどこでも良かった。
木目調の階段を
鼻歌まじりで一階に降りていく。
彼と協力して料理を作るはずが
いつの間にかキッチンに立つのが私の仕事になった。彼は仕事が忙しく自然と離れていった。
私も家事が苦手だが
彼の無邪気な笑顔と身体を思うと頑張れた。
その日も
眠気をぐっと堪え、いつも通り笑顔を作りスイッチを入れた。
私が思い浮かべるメニューは、
いつの間にか彼をなぞっていた。
忘れたはずなのに 自然と彼のことを思い出す
ジュー その音で我に返る
フライパンからあふれ出る香ばしい音に
私はよだれを飲み込み 隠せずにいた
食器棚に手をかけ 三段目においてある
食卓に並べられた 食材のかぐわしい香りが鼻を抜ける
トーストと目玉焼きとヨーグルト
心の扉 クースケ @kusuk
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