第2話私の毎日(凛視点)

「彩瀬さん、おはようございます」

今日、私が目を覚ますと看護師の佐々木さんがいた。

時計を見ると·····。

もう、七時だ。

いつもは六時に起きるようにしているのに。

何故だろう?問題集を解いていて寝るのが遅くなったからだろうか。それとも、またあのことを考えて泣いてしまったからか。

「おはようございます。今日、外晴れてますか?」

私は、最近決まってこれを聞く。

「そうですね。良い天気ですよ」

「分かりました、ありがとうございます」

私は、基本電動車椅子で移動している。

体に負担をかけないためだ。

だから、基本的に病院内の移動は許可されている。

「今日も広場に行くんですか?」

佐々木さんが聞く。なんだか、寂しそうな感じだ。

·····この人は、きっと私が「いつか」外に出れることを夢みて広場に行っていると勘違いしているのだろう。

私は、そんな叶わない願いは抱かない。

絶対に。

願っても、無駄だと知っているから。


では、何故広場に行くかと言うと、ただ単に「生きている」ことを実感するためだ。

雲を眺めていると、時間の流れと共に生きているという実感も湧く。


私は、死ぬまで、だけを見つめて生きていたい。

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