第14話 図書館でお仕事2
図書館のバイト二日目であった。 今日は検索用のGノートの前で案内の仕事でした。 しかし、近寄る人は無く暇な時間を過ごしていました。
「あ、暇人だ」
「ホントだ、暇人がいる」
二人連れの子供からヤジが飛んでくる。 感情をリターンしようかと思うがそこは年上なので笑顔で返す。 そもそも、図書館には子供と疲れた労働者に仕事や勉強に勤しむ人しかいない。
子供達にはGノートの立体映像で絵本が再現されたので、本が目的ではなく走り回る為である。
わたしは慣れない子供相手の仕事に、心が折れそうになったので職員にヘルプを呼び事務所での仕事に変えてもらう。 そして、事務所での仕事は幼児コーナーに飾る切り絵であった。
聞こえてくるのはGノートに映画のデータを貸し出す事ができるようになりましたと電話をかける会話くらいだ。 映画等のデータは著作権の関係で借りるというややこしいのであった。
さて、普通ならここで本のうんちくが聞こえてくるはずだか本が好きと詳しいとは正比例しないのであった。
あ、ぁぁ……。 切り絵をまた失敗した。 一からやり直しである。
問題発言だがわたしは労働に向いていない。 ゴロゴロして生きていたいと、この年で思うのであった。
「歌葉さん、疲れているようね」
沖田さんが優しく話しかけてくれるのであった。
「はい……」
「本の弁償ですものね……普通に買うのと違い権利関係のお金も上乗せして買うからね」
はい??? 上乗せして買う??? うぅぅ、図書館だしね。
わたしは慎重に切り絵を完成させる。 あー帰りたい……。
「歌葉さん、今日はお疲れ様」
時計を見るとバイトの終わり時間であった。 沖田さんが帰り際に栄養ドリンクをくれる。
「働くなんてそんなモノよ」
わたしはありがたく頂くのであった。 そして、帰り際に沖田さんから耳を疑う事を訪ねられる。
「オススメの本を三冊選んでおいて」
「はい???」
「オススメコーナーに置くの」
わたしは今まで読書感想文の為でしか本を読んだ事がない。
……。
……。
……。
「ごめんなさい、歌葉さんは本が好きで図書館で働いているわけではないでした」
固まるわたしに沖田さんは気がついたらしい。良かった、わたしを理解してくれた。 『突然のラブストーリー』をオススメ本にするか迷ったが読み終わってないので止めることにした。
帰ろう……。わたしは栄養ドリンクを飲んでフラフラしながら帰るのであった。
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