第6話 親友に選ばれる
放課後になると生徒はGノートを使ってコミュニケーションを深める時間であった。複数参加型のゲームにオンラインメッセージなど野球などの部活も立体映像でバッティングフォーム記録して自分でチェックしたりとGノートはあらゆる場所で使われているのであった。
でも……。息苦しい……。
わたしはふと疑問に思った、庭に可愛い死神兼天使が落ちてきたら、この息苦しくてギスギスした世界が変わる可能性を感じていた。自然とわたしは学校の図書室に向かっていた。
『突然のラブストーリー』の様な本に出合いたいからだ。
消してミーサの様なハレンチ少女が目的ではない。そう、読むだけでいい。
バカばっかりしていても真面目に書いている様な物語が他にないかだ。そう、『突然のラブストーリー』は三流小説にしか見てなくても何か憎めない、そんな本に出会いたいのであった。
図書室に着くと職員さんに入口でGノートの提示を求められる。学校関係者かを識別するらしい。
わたしが困っていると、隣の人がGノートを貸してくれる。Gノートがわたしの生体認証を行い、無事に中に入れた。
図書室の中を見渡すと……。あれ?今、気がついたら、そもそも、紙媒体は置いていない。利用者は著作権法の関係で本のデータのコピーは出来なく。本のデータを借りるというややこしい物であった。それでもと、わたしは職員さんに『突然のラブストーリー』を見せて同じような本が有るか聞いてみた。
即答で無いそうな。
わたしは本をしまって帰ろうとしたときであった。
「あなたそれ紙の本よね?」
Gノートを貸してくれた隣にいた女子生徒に呼び止められる。
ウェーブのかかった淡いブラウンの髪に整った容姿に高めの身長は高貴なオーラを出していた。よく見ると胸元に特進クラスのバッチを着けている。
「わたしは『小笠原 唯松』紙媒体の本のコレクターよ」
はー特進クラスに多い変わり者か……。どうやら『突然のラブストーリー』に目が止まったらしい。
「この本は決して、女性向ではないですよ」
その言葉にさらに目が輝くのであった。やはり、変わり者だ。
「借り物なので見るだけですよ」
「ええ、結構です」
わたしは『突然のラブストーリー』を取り出して見せるのであった。小笠原さんはまず本の臭いを嗅ぎ、いきなりあとがきから読み初める。キラキラとした眼差しは至福の時間を感じさせていた。
変な人に捕まったなと、眉間にしわをよせていると。
「今日からあなたはわたしの親友よ、覚悟して!」
はぁ?
わたしは聞き間違えたのかと思うほどであった。七瀬の様な裏表が無いだけいいか……。
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