第5話 日常の変化
朝、わたしは眠いながらも布団から抜け出ると隣にドラくんが寝ていた。丸くなって寝ているドラくんは気持ちよさそうであった。猫がうらやましいと感じるのは今日は一段と強い。それは今更ながらGノートが無くて登校して意味があるのか疑問に思うのからであった。
うん?
ドラくんが起き上がり、こちらを見ている。わたしはドラくんをなでなでしてあける。ドラくんは、また、眠そうに丸まるのてあった。
さて……。
わたしは渋々朝ご飯を食べるが食欲がない。お味噌汁に一味唐辛子を入れて味をごまかしてすするのであった。
そして、わたしは自室に戻ると制服に着替える。出発の時間が迫るのであった。部屋を見回すとドラくんはゴロゴロとしている。猫になりたい気分はマックスであったが、仕度を整える自分は真面目だなと思う。
……学校に行こう。
足は重いながらも登校するのであった。それから、学校に着くとGノートを持っていないのはわたしだけであった。そう、当たり前である、教科書もノートもGノートである。朝の少しの時間は皆、Gノートを開いている。わたしは図書館で借りた『突然のラブストーリー』を読むか迷っていた。
こんなハレンチ小説などを読んでいるのがバレたらドン引きされる。でも、この小説は何か引かれるモノがあった。ふう~。仕方なく、窓の外を見て時間つぶしである。授業が始まってもGノートが無ければ、ただ先生の話を聞くだけである。出席を取るのもGノートであったが先生は渋々にGノートを操作して、わたしの出席をカンウトするのであった。そして授業はと言うと、暇……。とにかく出席カウントだけは何とかなったが、本当に居るだけであった。
それでも、わたしは本当にGノートのない生活をしたかったからだ。また、わたしはGノートのを忘れた時の為の貸してくれる制度を断った。
休み時間には七瀬はそれでも相手をしてくれるが廃人ゲームの方が楽しいいらしい。わたしはこっそりと『突然のラブストーリー』を読む事にした。
……。
『ご主人様は隠れエッチイのですね』
相変わらずなミーサのセリフである。
『わたしの素肌を見て目が喜んでいます』
場面はまた水着でお風呂一緒である。あー読んでるわたしがむずがゆい。
『オッと、滑ったわ』
水着越しにそれなりの胸が主人公の背中にくっついたようである。わたしは流石に恥ずかしくなり。いったん本をたたむ。しかし、読まねば気が済まない。もう一度、読もうと少しページを飛ばして読んでみる。
『わたしはご主人様を見捨て世界を救う存在です』
死神兼天使だしね……。泣き崩れるミーサであったとの説明が続き。
『ご主人様は罪深いですわたしの胸はキュンキュンです。世界を敵にまわしてもこの胸のときめきは止まりません』
あーそう。
この小説は読みながらツッコミを入れるのが正しいらしい。わたしは少し飛ばしたのでお風呂シーンを読み返すのであった。
そして、わたしが無防備に本を読んでいると。
「なに、ニタニタしているの?」
七瀬が不思議そうに話かけてくる。
「え?」
わたしは少し混乱した、七瀬に『突然のラブストーリー』を読んでいるところを見られたからであった。
「Gノートも無いのに楽しそうだねー」
わたしは急いで本を隠す。
「それって本の小説でしょう、なんか歌葉、凄いね」
「そうかな……」
七瀬の『楽しそう』の言葉は深く、わたしの心に届いたのであった。
そうか……楽しそうか……。
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