第42話◆蒼汰、富士の麓でイチャラブする(その1)
◆蒼汰、富士の麓でイチャラブする(その1)
ふもと○ぱらキャンプ場の利用料金は、2~5人用テント(車両1台含む)で3500円/張である。
この利用料はオートキャンプ場としては、比較的安い方だと思われる。
サイト数は1500と最大級でこっちの世界でも空きはあると思うし、異世界側なら何時もがら空きなのだが、念のため公式HPで予約をすることにする。
このキャンプ場の予約ページは、サイトに空きがあれば○印が表示されるのでとても分かりやすい。
1500サイトもあるから予約なしで大丈夫かと思っていたが、昨今のキャンプブームで土日や連休は早くから×印が付いている。
そして週末はラッキーなことに、まだ空きがあった。
続けてHPを見ているとサキさんが「蒼汰さん、見てみて♪ あたし、これやってみたい」とパソコンの画面を指さす。
なにかと思って覗くとどうやらセグウェイツアーがあるらしい。 ほかのキャンプ場では見たことがないイベントだ。
しかも牧草地帯と、林道(古道)の2つのコースがあるようだ。
「サキさん、俺もセグウェイ乗ってみたいな」
「でしょ、でしょ♪」
「あれ、でも参加人数って1回4名みたいだよ」
「でも、1日に3回やってるみたいです」
「ほんとだ」
これも予約できるみたいだし、一緒にパソコンから予約しておこう。
こうしてキャンプ場の予約も済ませ、あとは体調を崩さないように気を付けるだけだ。
なにしろ北海道のキャンプでは、前日に熱を出してしまったから、今回はサキさんに心配をかけたくない。
***
当日は朝から曇り空で、天気予報では時々小雨が降ると言っている。
ふもと○ぱらキャンプ場は、広い草原の中にテントサイトがあるので、雨だとちょっと嫌だ。
林の中なら小雨くらいだと木の葉であまり濡れなくてすむのだが、ここのように遮るものがないと雨や風には少々難儀する。
まあ、そういうのもひっくるめてのアウトドアなのだけど。
「えへへ 蒼汰さん、見てみて♪」
サキさんは、フードにカエルの顔が描いてある黄緑色のカッパを嬉しそうに広げて見せてくる。
こうやってポジティブな方向に持って行けるところがサキさんの素敵なところだ。
朝食を軽く済ませて、いよいよ出発。
首都高速から東名に入り、富士を目指す。
東名高速道路「富士I.C」または新東名高速道路「新富士I.C」より西富士道路経由、国道139号線を河口湖・富士吉田方面へと案内に出ていたので、ここは新東名で行くことにする。
新東名と言えば、新静岡インターチェンジ~森掛川インターチェンジ間の約50kmが最高速度度120km/hだけど、今回はこの区間は通らない。
それに例え120km/h区間であったとしても、俺はサキさんと楽しく会話をしながらのんびり走る方をとるだろう。
最初は曇っていた空も御殿場に近づくに連れて、だんだんと晴れて青空が見えて来た。
これは作り方も吊るし方も格段にうまくなった、てるてる坊主さまのおかげに違いない。
富士山も見え隠れし、キャンプムードも必然的に高まってくる。
***
家を出てから2時間ほどが経ったので、足柄SAで休憩することにする。
そしてサービスエリアには、旨いものが沢山ある。 実は俺は昔からサービスエリアに来ると、見たものは片っ端から食べたくなってしまうのだ。
「うぉーー サキさん、俺もう我慢できない!」
我ながら情けないが、お祭りの屋台に解き放たれた小学生のように、あちこちのお店を飛び回る。
気が付けば焼きそば、唐揚げ、たこ焼き、フランクフルトなどで両手が一杯になっていた。
サキさんも富士ミルクラ○ドのソフトクリームを買って食べている。
「蒼汰さん、このソフトクリームなんだか溶けるのが早いです」
でもここのは、カップに入ったソフトをスプーンで食べるタイプなので、垂れるのを気にしなくてもよい。
サキさんが、「はい、蒼汰さん。 あ~ん」とスプーンを目の前に出して来たので、思わずパクリと食べてしまったけど、俺の口には豪快に齧ったばかりのフランクフルトが入っていたのだ。
Oh my god! さすがにフランク(ケチャップとマスタード)とソフトクリームは相性が最悪だ。
涙目になった俺をサキさんが不思議そうな顔で見ていたが、急にぱぁっと笑顔になってひと言。
「蒼汰さん、やっぱり美味しいですよね」
どうやらソフトが旨すぎて、俺がウルウルしてると思ったらしい。
お腹がいっぱいになったところで再出発するが、何だかんだで1時間近くも休憩していた。
御殿場JCTを左方向に進んで新東名に入る。
新東名は東名高速に比べるとカーブの角度が緩やかに設計されていたり、最大勾配が2%とこちらも緩やかになっていて渋滞が発生しにくくなっているそうだ。
大きな災害で東名高速が使えない場合の動脈確保の役割もあるらしい。
そんな薀蓄(うんちく)を話していたら興味がなかったのか、はたまたお腹がいっぱいなのか、サキさんが隣でコクコクと舟を漕ぎ始めた。
第43話「蒼汰、富士の麓でイチャラブする(その2)」に続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます